カジノ施設を含むIR施設の整備のための実施法─特定複合観光施設区域整備法の制定

ロー・フォーラム 立法の話題(法学セミナー)| 2018.11.13
国会で成立する法律は数多くに及びますが、私たちの社会の制度変更に影響の大きい立法、私たちの生活に影響の及ぼすような立法など、注目の立法を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。

(毎月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」767号(2018年12月号)に掲載されているものです。◆

法律制定の経緯

平成28年12月、議員立法で、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR〔統合型リゾート〕推進法)が制定された。同法は、カジノ施設を含むIR施設区域の整備の推進に関する基本方針を明示した上で、施行後1年以内を目途に必要な法制上の措置を講ずべき旨、政府に義務付けた。

これを受け、政府内に置かれた「特定複合観光施設区域整備推進会議」において、IRの制度設計における論点を整理するとともに、「世界最高水準の規制」としてのカジノ規制や弊害防止対策の検討、刑法の賭博罪との整合性の整理などを行い、平成29年7月、「取りまとめ」を公表した。政府は、「取りまとめ」の内容を踏まえ法案化を行い、与党内での議論を経て、平成30年4月末に法案を閣議決定して国会に提出し、平成30年7月に可決・成立した。

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