(第4回)ユーロ導入20年 — 次の10年はどうなるか?
EUの今を読み解く(伊藤さゆり)| 2019.01.24
2019 年は EU にとって、イギリス離脱のほか、5 年に 1 度の欧州議会選挙、それに伴う EU の行政執行機関・欧州委員会のトップにあたる委員長の交代と体制の刷新、さらに首脳会議常任議長(通称、EU 大統領)、欧州中央銀行(ECB)総裁も交代するという大変革の年です。このコラムでは、こういったイベントを軸に EU の今を読み解いていきます。
(毎月下旬更新予定)
2019 年 1 月 1 日、欧州単一通貨ユーロが、1999 年の導入から 20 年を迎えた。
導入以後の最初の 10 年は、ユーロは成功した通貨だった。ユーロを導入した国々は、全体として経済成長と物価の安定を維持していた。ユーロ 10 周年に向けて、EU では、ドルに続く、第 2 の国際通貨としての定着や、ユーロ圏内での国境を超える銀行間の取引、金融機関の合併や買収の増加などが成果として謳われた。