(第7回)弁護士×経営支援の実践(4)
「弁護士×経営支援」のススメ(中村 真)| 2019.04.03
2018年、ついに衰えを見せ始めた司法制度改革の残り火の中、益々過酷さを増す業界での生き残りを賭けて中小企業支援に乗り出した弁護士中村真。この連載は、一地方弁護士が法律業務と経営支援の狭間で目にした数々のドラマを、「弁護士×経営支援」を合い言葉に、各種方面の目を気にしつつも、ただ面白おかしく書き連ねる実験的な企画です。
(毎月上旬更新予定)
1 とりあえず一旦まとめる第7回
前回まで3回にわたって「弁護士×経営支援の実践」として話を進めてきました。本当は1回で終えるはずのことが、書いているうちに思いのほか長くなったので分けることになったというのは準備書面ではよくあることで、実に弁護士的です。そんなわけで、ついに今回はこのテーマを扱う最終回です。
おさらいになりますが、経営支援に乗り出す入り口として「破綻した事業者の原因分析」が考えられるのではないかというのが前回までのお話でした。覚えていますか? 私は1ヶ月経ったので忘れかけていました。
さて、その中で、実際の倒産事件を元に「①なぜ倒産に至ってしまったのか」という上から目線で検討を加えた結果、経営者でも正確に事業上の課題を捉えられていないという問題があり、そこに我々専門家のつけいるスキ支援を行う余地があるのではないかという鋭い問題提起をしましたね。段々記憶が明瞭になってきました。
今回は、そこからさらに先に進んで「②倒産を回避するためにはどの時点で何をすべきであったか」について考えてみたいと思います。