(第14回)違法な取調べで無理やり虚偽自白をさせ、自然発火による火災事故を保険金目的による放火殺人事件として起訴─東住吉事件
捜査官! その行為は違法です。(木谷明)| 2019.10.15
なぜ誤った裁判はなくならないのか――。
警察官、検察官の証拠隠しや捏造、嘘によって、そしてそれを見抜かなかった裁判所によって、無実の人が処罰されてしまった数々の冤罪事件が存在します。
現役時代、30件以上の無罪判決を確定させた元刑事裁判官・木谷明氏が、実際に起こった事件から、刑事裁判の闇を炙り出します。
警察官、検察官の証拠隠しや捏造、嘘によって、そしてそれを見抜かなかった裁判所によって、無実の人が処罰されてしまった数々の冤罪事件が存在します。
現役時代、30件以上の無罪判決を確定させた元刑事裁判官・木谷明氏が、実際に起こった事件から、刑事裁判の闇を炙り出します。
(毎月中旬更新予定)
東住吉事件
- 大阪地判平成11年3月30日判時2324号63頁
- 大阪地決平成24年3月7日判時2324号43頁
- 大阪地判平成28年8月10日判時2324号11頁
自動車の給油口から漏れたガソリンが風呂場の種火に引火して火災となり、11歳の少女が焼死した。ところが、警察は、これを少女の母親と同棲男性の共謀による「保険金目当ての放火殺人事件」であると目星をつけ、2人を逮捕・勾留の上違法な取調べを行い、無理やりその旨の虚偽自白を引き出して起訴した。