参議院議員の歳費の自主返納が可能に:国会議員歳費法の改正
ロー・フォーラム 立法の話題(法学セミナー)| 2019.10.18
国会で成立する法律は数多くに及びますが、私たちの社会の制度変更に影響の大きい立法、私たちの生活に影響の及ぼすような立法など、注目の立法を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。
(毎月中旬更新予定)
◆この記事は「法学セミナー」778号(2019年11月号)に掲載されているものです。◆
参議院議員の定数増と歳費減額案の提出
2018年の公職選挙法の改正により、参議院議員の定数が6人増の248人(19年と22年の通常選挙でそれぞれ3人増)とされたが、改正に際し、参議院の委員会では、定数の増加に伴い、参議院全体の経費が増大することのないよう、その節減について検討を行う旨の附帯決議が付されていたところである。
この附帯決議を受けて、自民、公明両党は、定数増に伴い増大する経費の節減を図るには参議院議員の歳費の削減が最も確実かつ簡潔な方法であるとして、本年2月、臨時特例の措置として参議院議員の歳費を月に7万7000円減額する「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」(歳費法)の改正案を参議院の議員立法として提出した。
この改正案に対しては、他党から、参議院議員についてのみ歳費を減額し、衆議院議員の歳費と差を設けるのは、憲法上問題があるのではないかとの指摘もされた。