ターゲットは 1 つではない:タクシー運転手の労働供給行動

海外論文サーベイ(経済セミナー)| 2021.01.07
 雑誌『経済セミナー』の "海外論文Survey" からの転載です.

(奇数月下旬更新予定)

Crawford, Vincent P. and Juanjuan Meng(2011) “New York City Cab Drivers’ Labor Supply Revisited: Reference-Dependent Preferences with Rational-Expectations Targets for Hours and Income,” American Economic Review, 101(5), pp.1912-1932.

森 知晴

$\def\t#1{\text{#1}}\def\dfrac#1#2{\displaystyle\frac{#1}{#2}}$

「今日の調子はどうだい?」

「いい感じだ。お客がたくさん来て、休む暇もない」

「うらやましいな。こっちは全然だ」

「時間になったらさっさと上がって、家でビールでも飲むよ」

「オレはギリギリまで粘ってみるさ」

何気ないタクシー運転手同士の会話であるが、実はこの会話で見られる行動は、合理的ではないかもしれない。今回はタクシー運転手の労働供給に関する研究を紹介する。

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