科学者を科学する
海外論文サーベイ(経済セミナー)| 2020.03.31
Li, Weihua, Tomaso Aste, Fabio Caccioli and Giacomo Livan (2019) “Early Coauthorship with Top Scientists Predicts Success in Academic Careers,” Nature Communications, 10 (5170).
松井 暉
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科学者はさまざまな対象を科学してきた。科学をどう定義するかは深淵な問いではあるが、多くの科学者が科学を標榜した活動をしてきたのは確かであろう。このような科学者の科学活動を分析しようとする分野が「Science of Science (科学〔者〕学)」である。Science of Science では、データを使って科学という営みが分析される。研究トピックの選ばれ方、科学者のキャリアパス、分野の発展など1)が研究される学際的な分野である2)。
Science of Science は自然科学、特にネットワーク科学で多く研究が行われている。たとえば、今春に早稲田大学で行われたネットワーク科学の国際会議「NetSci-X」における「Success」のセッションでは、すべての発表が Science of Science の研究であった3)。このセッション名からも伺えるように、Science of Science では論文や研究者の成功をテーマにした論文が多い。
脚注
1. | ↑ | Fortunato, S., Bergstrom, C. T., Börner, K., Evans, J. A., Helbing, D., Milojević, S., Petersen, A. M., Radicchi, F.,Sinatra, R., Uzzi, B. and Vespignani, A.(2018) “Science of Science,” Science, 359 (6379), eaao0185. |
2. | ↑ | 学術雑誌を含む、書籍に注目した Bibliometrics (計量書誌学)という分野もある。 |
3. | ↑ | NetSci-X 2020 Program book, Contributed Session 6, Success (https://netscix2020tokyo.github.io/document/program-book.pdf, 2020 年2 月 20 日アクセス)。 |