(第9回)統計検定と確率 — なぜ確率という考えが必要となるのか
現実を「統計的に理解する」ための初歩の初歩(麻生一枝)| 2020.07.15

(毎月中旬更新予定)
前回の「統計検定の考え方 — p 値って何? 統計的有意差って何?」を読んで,p 値や統計的有意差はなんとなくわかったけど,そもそもなんで確率なんてものが出てくるんだ,と疑問に思った読者も少なからずいたのではないだろうか.
実は,確率という考え方,そして確率を算出するための統計検定は,「ある集団について何かを知りたいとき,集団構成員全体を調べるのではなく,それを代表するような一部 (サンプル) をとって調べる」という科学の方法と密接に関係している.観察的研究であれ実験的研究であれ,また,文系・理系や,分野の違いを問わず,科学研究とは切り離せないものだ.
