(第6回)コロナ危機とユーロの国際的な地位(伊藤さゆり)
コロナ危機とEUの行方| 2020.08.28

8 月に出揃った 4〜6 月期の実質 GDP は、コロナ禍によるユーロ圏経済の打撃が、とりわけ大きかったことを浮き彫りにした。前期比年率の GDP は、日本のマイナス 27.8%、米国のマイナス 32.9%を大きく上回るマイナス 40.9%もの落ち込みだった。
経済情勢の厳しさにも関わらず外国為替市場ではユーロ高が進んでいる。主要な貿易相手国通貨に対する為替相場を加重平均した名目実効為替相場は年初来のボトムとなる 2 月 19 日の 95.6 から直近 (8 月 18 日) には、102.0 まで上昇している (図表)。
