(第13回)統計検定の限界 —「効果あり」と断定はできないし、「効果なし」ともいえない
現実を「統計的に理解する」ための初歩の初歩(麻生一枝)| 2020.11.09

(毎月中旬更新予定)
喜ばしいことに、この連載が延長されることになった。正直に白状すれば、12 回という限られた回数だったので、連載のタイトル通りの「初歩の初歩」から、一般読者にとってはそうとは言い難い、学術論文に登場する統計の間違いまで、一挙に突っ走ってきてしまったというのが実情である。「初歩の初歩って書いてあるのに、途中から突然むずかしくなったなあ」と感じた読者も、確実にいたと思う。それも、少なからずいたと思う。
というわけで、今回は、「重要で本当は書いたほうがいいのだけど、はっきりと文章にしなくても、この内容を理解すれば、自然とわかるだろう」と飛ばしてしまった話題を取り上げたいと思う。第 8 話「統計検定の考え方とは — p 値って何? 統計的有意差って何?」と第 9 話「統計的有意差と確率 — なぜ確率という考えが必要となるのか」と関連した内容である。
