鼎談:「データ×経済学」の可能性(経済セミナー2021年4・5号)
特集から(経済セミナー)| 2021.03.30
データの利用可能性が劇的に増えている。最近では新型コロナの影響をつかむために多様なデータが活用され、注視されている。データにどう向き合うか、経済学の視点で掛け合わせるとどんな可能性が広がるか、データ分析は仕事でどう活かせるのか。データのプロである三人が徹底討論する。
1 はじめに
—本日は実務家との共同研究も積極的に展開される宮川先生と、データ・ビジネスの最前線で活躍される久慈さん、柳岡さんに、「データ×経済学」の可能性というテーマで、学問と実務の両面からご議論いただきます。
宮川 一橋大学の宮川です。主に企業や金融機関の行動と、それらをつなぐ取引ネットワークについて、データを用いて実証的に研究しています。経済学者という職業でも、やはり何らかの個性が期待されています。自分としては、なるべく大規模でめずらしいデータを収集したうえで実証分析をしようと意識しています。また、研究を企業や政策の実務に役立てるべく、研究成果の社会実装まで意識するようにしています。