出題(2021年10月号掲載分)/応募締切(10月8日)/解答(2022年1月号掲載)
出題1
$n$ を正の整数とし,1 から 6 までの目が等確率で出るサイコロを $n$ 回投げることにします.そのとき,出る目の和が $a$ の倍数となる確率を,$a = 1,\, 2,\, 3,\, 6$ のそれぞれについて計算すると,$n$ がいくつであっても,その値は $\dfrac 1a$ です.それでは,$a = 4,\, 5,\, 7$ の場合はどうでしょうか.それらの場合に,出た目の和が $a$ の倍数となる確率がちょうど $\dfrac 1a$ となるような $n$ はあるでしょうか.$a = 4,\, 5,\, 7$ のそれぞれについて,そのような $n$ がないならないことを証明し,あるならそのような $n$ の一般式を求めてください.
出題者コメント:$7,\, 5,\, 4$ の順に考えたほうがよいかもしれません.3 つのうちの一部だけが解けた場合でも,ぜひ答案を提出してください.推移行列などを使って力ずくで答えを求めることができる方は,得られた答えをより簡潔に導く方法をぜひ考えてみてください.
出題:岩沢宏和
出題2
$n$ を 3 以上の自然数とします.数直線上の $n$ 点集合
\begin{align*}
X=\{a_1,a_2,\cdots,a_n\}\quad (a_1<a_2<\cdots<a_n)
\end{align*}に対し,$X$ の異なる 2 数の差全体の集合を
\begin{align*}
D(X)=\{a_j-a_i\,|\,1\leqq i<j<\leqq n\}
\end{align*}で表し,$D(X)$ の元の個数を $d(X)$ とします.また,$X$ の隣り合った 2 数の差の列
\begin{align*}
(a_2-a_1,a_3-a_2,\cdots,a_n-a_{n-1})
\end{align*}を $X$ の階差列といい $I(X)$ で表します.
ここで $n$ 点集合 $X$ に次の条件 (1), (2) を課すことにします.
(1) $I(X)$ は 1 と無理数 $c$ のみからなる列である.
(2) $I (X) \neq (1,1, \cdots,1)$ かつ $I(X) \neq (c,c, \cdots,c)$.
このような条件をみたす $n$ 点集合 $X$ のうち,$d(X)$ が最小となるものの階差列 $I(X)$ とその最小値 $f(n)$ を答えてください.
例 下図の $X=\{a_1,a_2,\cdots,a_6\}$ に対し,
\begin{align*}
&I(X)=(1,c,1,1,c),\\[5pt]
&D(X)=\{1, 2, c, 1+c, 2+c, 3+c, 2+2c, 3+2c\}
\end{align*}より $d (X) = 8$ となる.よって,$f(6) \leqq 8$.
出題:篠原雅史
応募規定[解答掲載2022年1月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙l枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2021年10月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2021年10月号
- 解答・講評は,本誌2022年1月号にてご確認ください.