(第9回)うちの子が、クラスで悪口を言われている、じろじろと見られている、とおびえるようになりました/わが子はゲームやネットばかりしてひきこもっています。薬を飲めばよくなるでしょうか?
子どもの心のお薬Q&A(岡田俊)| 2022.06.03
子どもが病院や診療所で心の薬による治療を薦められることは決して稀ではありません。子どもだって心が病むときも、その回復に支えが必要なこともあるのです。安易な薬物療法は望ましくありませんが、一律に避けてしまうというのも子どものためになりません。子どもの精神科薬物療法について、できるだけわかりやすくQ&Aでお伝えします。
(毎月上旬更新予定)
Q 「中学生のうちの娘が、クラスで悪口を言われている、じろじろと見られている、と言うようになりました。次第に、家でもおびえた表情になって、部屋にこもるようになりました。担任の先生によれば、いじめはないと言います。娘の思い過ごしでしょうか、病院で治療を受けるべきでしょうか?」
娘さんがクラスでこのような目に遭っているとしたら、つらくてたまらないことです。しかし、学校の先生に尋ね、周囲のさまざまな情報を探しても、その事実を裏づける情報がないとき、周囲が認知していないだけで娘さんの言っていることが現実なのか、娘さんの思い過ごしであるのかは、なかなか確信をもてないことが多いでしょう。
ところが、家での様子にも変化が生じて、精神的に参っているだけではなく、家でも誰かから見られている気がすると言い出したり、口数も減り、部屋に閉じこもりがちになるなど、どうも様子が変だというように感じたら、病院に受診するのがよいでしょう。
岡田 俊(おかだ・たかし)
精神科・児童精神科医師。1997年京都大学医学部卒業。同附属病院精神科神経科、デイケア診療部などの勤務を経て、2011年より名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科、2020年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤務。
精神科・児童精神科医師。1997年京都大学医学部卒業。同附属病院精神科神経科、デイケア診療部などの勤務を経て、2011年より名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科、2020年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤務。