出題(2022年7月号掲載分)/応募締切(7月8日)/解答(2022年10月号掲載)
出題1
今回の問題は,エレ解には珍しい計算問題です.
球形のリンゴから,その中心を通る軸をもつ円筒で垂直に芯をくり抜いた残りを,水平な平面で輪切りにして $7$ 人で分けました.きちんと体積が等分されているわけではないですが,僕はリンゴの皮が好きなので一番端をもらいました.直径は小さいけど少し厚みがあって,真横から見た高さが $2\t{cm}$ あり,皮の面積も,芯をくり抜いた残りの $\dfrac{1}{6}$ あります.さて,僕がもらった部分の体積は何 $\t{cm}^3$ でしょうか.また,それは $7$ 人の平均よりも大きいでしょうか.
円周率は $3.14$ で計算してください.できれば,方程式を立てない解答を求めます.なお,ずる賢い解答は嫌いです.
出題:山田修司
出題2
$n$ を 2 以上の整数とします.$n$ 次対称行列 ($n$ 行 $n$ 列の正方行列 $P=(p_{ij})$ で $p_{ij}=p_{ji}$ となるもの) で各成分が非負であり,各行の和が 1 であるもの (各列の和が 1 でもある) を $n$ 次非負対称確率行列と呼ぶことにします.たとえば
\begin{align*}
P=
\begin{pmatrix}
0.2 & 0.3 & 0.5\\
0.3 & 0.2 & 0.5\\
0.5 & 0.5 & 0
\end{pmatrix}
\end{align*}は3次非負対称確率行列です.
対称行列の固有値はすべて実数であることが知られているので,$n$ 次非負対称確率行列$P$の固有値を大きい順に
\begin{align*}
\lambda_1(P)\geqq \lambda_2(P)\geqq \cdots \geqq \lambda_n(P)
\end{align*}と表すことにします.たとえば前の例の $P$ については,$\lambda_1(P)=1$, $\lambda_2(P)=-0.1$, $\lambda_3(P)=-0.5$ となります.
$\lambda_1(P)$ は常に 1 であることが比較的容易にわかりますが,$\lambda_2(P)$ は $P$ ごとに変わります.$\varPi_n$ を $n$ 次非負対称確率行列の集合とするとき,$\varPi_n$ 上の関数 $\lambda_2$ の最小値を求めてください.難しければ,$n$ が 2, 3 くらいの小さい場合だけの応募でも構いません.
出題:栗原大武
応募規定[解答掲載2022年10月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:7月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙l枚ごとにA:出題の番号(例:7月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2022年7月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2022年7月号
- 解答・講評は,本誌2022年10月号にてご確認ください.