(第11回)漢方薬で治療したいのですが?/子どもが薬を卒業したいと言っているのですが?
子どもの心のお薬Q&A(岡田俊)| 2022.08.04
子どもが病院や診療所で心の薬による治療を薦められることは決して稀ではありません。子どもだって心が病むときも、その回復に支えが必要なこともあるのです。安易な薬物療法は望ましくありませんが、一律に避けてしまうというのも子どものためになりません。子どもの精神科薬物療法について、できるだけわかりやすくQ&Aでお伝えします。
(毎月上旬更新予定)
Q 「薬物療法を進められましたが、やはり薬に不安があります。漢方薬で治療できないでしょうか?」
漢方薬は、自然界に存在する植物や動物、鉱物などのなかで薬効があるとされる生薬を組み合わせて治療薬として用いられています。中国で後漢の時代に書かれた書物がもとになり、その後、遣隋使や遣唐使を経て、清の時代までに日本に伝えられ、日本独自の発展を遂げてきたのが日本の和漢です。中国、韓国、日本では独自の体系となっており、同じものではありません。漢方は煎じ薬です。煎じ薬として処方される漢方はかさばりますし、高価な物です。処方のたびに、袋いっぱいの薬を持ち帰り、自宅で煎じることになるのですが、これは便利とはいえません。そこで、そのエキスを抽出し、散在や丸薬にしたものが、私たちが病院で処方される漢方薬ということになります。
岡田 俊(おかだ・たかし)
精神科・児童精神科医師。1997年京都大学医学部卒業。同附属病院精神科神経科、デイケア診療部などの勤務を経て、2011年より名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科、2020年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤務。
精神科・児童精神科医師。1997年京都大学医学部卒業。同附属病院精神科神経科、デイケア診療部などの勤務を経て、2011年より名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科、2020年より国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所に勤務。