(第21回)民事事件の事件番号と事件名にまつわるルール

民事弁護スキルアップ講座(中村真)| 2022.08.16
時代はいまや平成から令和に変わりました。価値観や社会規範の多様化とともに法律家の活躍の場も益々広がりを見せています。その一方で、法律家に求められる役割や業務の外縁が曖昧になってきている気がしてなりません。そんな時代だからこそ、改めて法律家の本来の立ち位置に目を向け、民事弁護活動のスキルアップを図りたい。本コラムは、バランス感覚を研ぎ澄ませながら、民事弁護業務のさまざまなトピックについて肩の力を抜いて書き連ねる新時代の企画です。

(毎月中旬更新予定)

夏真っ盛りの昨今、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

民事弁護のスキル向上をテーマとするこの企画も、今回で第21回目となりました。

今回は、知っているようで余り知らない「民事事件の事件番号と事件名」について取り上げます。

1 民事事件の事件番号

裁判であれ調停であれ、また刑事事件であれ民事事件であれ、裁判所に事件が係属すると事件番号と事件名が付されます。このうち、事件番号は、申立年、符号とともに通しの事件番号が付されます。

「令和4年(ワ)第1234号」というやつですね。

事件番号は、「(ワ)」や「(フ)」という形で、事件の種類に応じて定められたものが申立年度と受理番号の間に付されますが、これは民事事件では民事事件記録符号規程、刑事事件では刑事事件記録符号規程というように、根拠規程が異なっています。また、一般的には、民事事件ではカタカナ、刑事事件ではひらがなが用いられています。

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中村真(なかむら・まこと)
1977年兵庫県生まれ。2000年神戸大学法学部法律学科卒業。2001年司法試験合格(第56期)。2003年10月弁護士登録。以後、交通損害賠償案件、倒産処理案件その他一般民事事件等を中心に取り扱う傍ら、2018年、中小企業診断士登録。2021(令和3)年9月、母校の大学院にて博士(法学)の学位を取得(研究テーマ「所得税確定方式の近代及び現代的意義についての一考察-我が国及び豪・英の申告納税制度導入経緯を中心として-」)。現在、弁護士業務のほか、神戸大学大学院法学研究科にて教授(法曹実務)として教壇に立つ身である。

著者コメント  今回も単発のテーマとして、民事事件の事件番号や事件名の決まりについて取り上げてみました。ここはまともな常識をもって普通に業務をしている限り、特に業務に支障や問題を生じさせることはありませんが、裁判所の事件の捉え方・特定の仕方という点で、民事事件に携わる代理人として持っておいて損はない知識です。