序文(特別企画:病みつつ働く人の支え)(編:大野裕)
特別企画から(こころの科学)| 2022.08.17
心理臨床、精神医療、教育、福祉等の領域で対人援助にかかわる人、「こころ」に関心のある一般の人を読者対象とする学術教養誌「こころの科学」。毎号の特別企画では、科学的知見の単なる解説ではなく、臨床実践に基づいた具体的な記述を旨としています。そうした特別企画の一部をご紹介します。
(毎月中旬更新予定)
◆本記事は「こころの科学」225号(2022年9月号)の、大野裕編「特別企画:病みつつ働く人の支え」に掲載されている序文です。◆
私が医学を学び始めてから半世紀近くが経つ。その間、医学は大幅に進歩したが、残念ながら医療の発展はまだ限られていて、精神疾患を含めて、完治させることができない疾患は数多く残っている。そのことを考えると、人間の知的能力の限界のようなものを感じる。