(第10回)太陽の極域磁場反転の教訓
地球惑星科学の地平を求めて(半揚稔雄)| 2023.02.16

(毎月中旬更新予定)
第 9 回の図 5 上図に見られる 1996 年 5 月に始まり 2008 年 12 月に終わる 12.6 年間は,黒点数がそれまでとは比較的少なく静穏な期間であった.この一期間はサイクルと呼ばれ,1755 年に始まる一期間をサイクル 1 と表示すると,1996 年 5 月からの一期間はサイクル 23 となる.その後の 2008 年 12 月から始まり 2019 年 12 月に終わる 11 年間 — サイクル 24 — では, 2012∼13 年にかけての極域磁場の反転で 4 重極になろうとする変化が見られた. 2022 年の時点で,太陽活動は 2008 年以前と変わらぬ状況へ戻りつつあるが,極域磁場はこれまでの 2 重極とは逆に北極が N 極に,南極が S 極へと変化している.

著書:『ミッション解析と軌道設計の基礎』(現代数学社,2014 年),『惑星探査機の軌道計算入門 ―― 宇宙飛翔力学への誘い』(日本評論社,2017 年),『入門連続体の力学』(同,2017 年) ,『つかえる特殊関数入門』(同,2018 年) など.