出題(2023年6月号掲載分)/応募締切(6月8日)/解答(2023年9月号掲載)
出題1
無理数に関するやさしい 3 題です.中学生でも分かるような解答をお願いします.高校生のみなさんにもぜひ解いてもらいたいです.
(1) f(x)=x5+2xに対して,方程式
f(x)=12の正の解が無理数であることを証明してください.
(2)非負整数の階乗を 7 進数で順に書くと
1,1,2,6,33,231,⋯と進んでいきますが,これらを小数点以下に続けて書いた 10 進数の無限小数
0.1126332312046⋯が無理数であることを証明してください.
(3) 1,1,2,3,5,8,13,21,⋯と,1,1 から始まり,そのあとの項は直前の 2 つの項の和になっている数列をフィボナッチ数列といいます.隣り合った項の比が急速に黄金比 1.618⋯ に近づくことが知られています.これらの数 (フィボナッチ数) を小数点以下に続けて書いた無限小数
0.11235813213455⋯も無理数であることを証明してください.
出題:竹内郁雄 (東京大学名誉教授)
出題2
奇数 k≧3 に対し A(k)=22k−2k+1 とおきます.
(1) 上記の任意の k に対し A(k) は 3 で割りきれるが 9 では割りきれないことを示してください.
(2) 13A(k) の値が素数のべき (素数の場合も含む) ならば k の値は素数または 3 のべきとなることを証明してください.
例えば k=15,21,25に対し 13A(k) の値の素因子分解はそれぞれ 19×18837001,19×77158673929,331×1133836730401 となっています.
証明に必要ならばジグモンディ (Zsigmondy) の定理として知られている下記の定理 Z を用いても構いません.
定理 Z 自然数 n≧3,a≧2 に対し (n,a)≠(6,2) とする.このとき次の条件 (C) をみたす素数qが存在する.
(C) q は an−1 を割りきるが i=1,2,⋯,n−1 に対し ai−1 を割りきらない.
定理 Z の証明には円周等分多項式をいかに利用するかが解く鍵になります.余力のある方はぜひチャレンジしてみてください.
出題:中川暢夫(近畿大学理工学部),和田倶幸(東京農工大学名誉教授)
応募規定[解答掲載2023年9月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:6月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:6月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2023年6月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2023年6月号
- 解答・講評は,本誌2023年9月号にてご確認ください.
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