(第7回)「俺、口が悪いんだよなあ」――多様性と心理的安全性

シゲ先生と考える教育の中の多様性(鈴木茂義)| 2023.07.21
多様性尊重、LGBTQ+、セクシュアルマイノリティ、ジェンダー平等という言葉が聞かれて久しいですが、「多様性」とはいったいどのようなものなのでしょうか。自身がゲイであることをカミングアウトした小学校の先生が、学校や子どもとのエピソードを交えながら多様性について発信していきます。

(毎月下旬更新予定)

以前の話です。「うざい、きもい、消えろ、うせろ!」教室の中に罵詈雑言が飛び交っています。最初に言い始めた子どもは怒りで大興奮、言われた子どもも、もちろん大興奮。

「お前の方がうざい、きもい、消えろ、うせろ!」こうなるともう手を付けられません。2人のやりとりに怯えている子がいます。知らんぷりして読書をする子もいます。周りではやし立てる子もいます。泣き出しそうな顔をしている子も、耳をふさいでいる子も……。

私が教員として若いころ、このような場面によく遭遇しました。完全に自分の指導力不足でした。混沌とした教室の中を、どう収めればよいのか。一人ひとりの子どもたちに、どのような声をかければよいのか。とても悩んでいた時期もありました。

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鈴木茂義(すずき・しげよし)
公立小学校非常勤講師、プライドハウス東京理事、常設のLGBTQ+センタープライドハウス東京レガシーのスタッフ。専門は特別支援教育、教育相談、教育カウンセリングなど。LGBTQ+や教育に関する講演活動を行い、性の多様性やより良い「生き方」「あり方」について参加者と共に考えている。