出題(2023年11月号掲載分)/応募締切(11月8日)/解答(2024年2月号掲載)
出題1
後退するときにジャンプがあるランダムウォークに関する問題です.
どの面も均等の確率で出る $m+n$ 面サイコロがあり,$m$ 面には黒字で1が記され,残りの $n$ 面には赤字で,いずれも 1 より大きい整数 $a_1,\cdots,a_n$ がそれぞれ記されています.数直線の原点を出発点とし,このサイコロを振って黒字の面が出たら右に 1 進み,赤字の面が出たら,その面に書かれた数のぶんだけ左に進む,ということをずっと続けます.このとき,「いつか原点よりも左に行く」ということが起きる確率はいくらでしょうか.
実は,$a_1+\cdots +a_n\geqq m$ の場合には確率は 1 となり,その議論をしてもらうのも煩雑なので,解答は $a_1+\cdots +a_n<m$ の場合に限定してもらってかまいません.また,本問のままでは難しいときには,もう少し特定の場合,たとえば赤字の整数がすべて同じ場合や,さらに特定して,たとえば 18 面が黒字の 1 で,残りの 2 面が赤字の 5 である 20 面のサイコロといった場合のみについて解いた答案の提出も歓迎します.
出題:岩沢宏和(パズル研究家)
出題2
${}_n \t{C}_k$ が $2$ で何回割り切れるかについて考えてみる.正の整数 $a$ に対して,$a$ が $2$ で割り切れる回数を $v (a)$ と定める.例えば,$v (1) = v (3) = 0,\, v (2) = 1,\, v (100) = 2$ となる.整数 $n\geqq 0$ に対して $f (n) = \max\{v ({}_n \t{C}_k) \mid 0\leqq k \leqq n\}$ と定める.$n$ が非負の偶数を動くとき,
\begin{align*}
2^{f (n)} + \sum_{k=0}^{n} (-1)^k v ({}_n \t{C}_k)
\end{align*}の最大値を求め,最大値になるような $n$ の必要十分条件を与えよ.例えば $n=6$ の場合,${}_n \t{C}_k,\, v ({}_n \t{C}_k)$は表 1 のようになるので,$f (6) = 2$ で
\begin{align*}
2^{f (6)} + \sum_{k=0}^{6} (-1)^k v ({}_6 \t{C}_k)& = 2^2 + (-1 -2 -1) \\
&= 0
\end{align*}となる.
出題:北川宜稔(早稲田大学教育学部)
応募規定[解答掲載2024年2月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:11月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:11月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2023年11月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2023年11月号
- 解答・講評は,本誌2024年2月号にてご確認ください.
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