『数学にはこんなマーベラスな役立て方や楽しみ方があるという話をあの人やこの人にディープに聞いてみた本』(1)〜(3)(編:数学セミナー編集部)
はじめに(第 1 巻)
昭和や平成の前半期頃は,各種メディアを通じて数学は「嫌い」と公言されることがよくあり,「好き」であることを表立って宣言して第一線で活動されている方は,そこまで多くはなかった印象があります.この風向きが変わってきたのは,平成も後半になって以降でしょう.2000 年代半ばより,世間で「数学ブーム」が喧伝され,「この数式 (数) が美しい」とか「ビッグデータが使える!」とか「こんな意外なところにも数学が!」とか「今度は人工知能だ! チャット GPT だ!」と叫ばれ続けた結果,次第に数学愛がオープンに語られ始めたのだと思います.この流れには,当然のことながら SNS やオフ会・イベントの普及も強く関わっているでしょう.
本書のベースとなった,雑誌『数学セミナー』(日本評論社) のインタビュー連載「数学トラヴァース」,そして本書は,そのような時代背景の下に生まれました.各分野で活躍されている方々に,数学との関わりや意外な使い方,楽しみ方を思う存分に語っていただき,数学の魅力や多様性を伝えることを目指しています.数式は,ほぼ登場しませんので,数学があまり得意ではない方,お嫌いな方にもお楽しみいただけると思います.
最後にお詫びを一つ.本書の異様に長い書名についてです.どうしてこうなってしまったのかを手短にご説明しますと,連載がある程度進み,書籍化の企画を考えていく際に,短い書名ではどうしても内容を的確に表現しきれないという問題が発生しました.何日考えても解決できない……,そこでいっそのこと,あえて長くする方向に舵を切ることにしました.とても覚えにくく呼びにくいので,読者の皆様にはご不便をおかけするかも知れません.「トラヴァース本」や「マーベラス本」など,適宜略していただけますと有難いです.
本書は全 3 巻で構成されます.この第 1 巻では,美術家の野老朝雄氏や雲研究者の荒木健太郎氏 (気象庁気象研究所) などが登場します.ほかの巻でも,多種多様な方々が独自の数学観を語っていますので,ぜひともお楽しみください.
はじめに(第 2 巻)の末尾
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本書は全 3 巻で構成されます.この第 2 巻では,ゲームクリエイターの山名学氏 (ジニアス・ソノリティ株式会社) や棋士の広瀬章人氏 (日本将棋連盟) などが登場します.ほかの巻でも,多種多様な方々が独自の数学観を語っていますので,ぜひともお楽しみください.
はじめに(第 3 巻)の末尾
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本書は全 3 巻で構成されます.この第 3 巻では,実業家の川上量生氏 (株式会社ドワンゴ) やクリエイティブ・グループのユーフラテスなどが登場します.ほかの巻でも,多種多様な方々が独自の数学観を語っていますので,ぜひともお楽しみください.