出題(2024年2月号掲載分)/応募締切(2月8日)/解答(2024年5月号掲載)
出題1
自然数の 10 進数表現を下の桁から順に読み取って,特定の命題の真偽を求めることをする.自然数表現を,数字の並び
\begin{align*}
A_K A_{K-1} \cdots A_2 A_1
\end{align*}と書くことにする.簡単のために上位に 0 の並びがあってもよいとする.
たとえば,「3 の倍数であるか」という命題は,次の漸化式
\begin{align*}
&X_0=0,\\[5pt]
&X_{n}=\t{mod}(X_{n-1}+A_n, 3)
\end{align*}から定まる数列 $(X_n)$ について,その末項 $X_{K}$ を用いた条件判定
\begin{align*}
X_{K}\ \text{が 0 なら真,それ以外は偽}
\end{align*}で表現できる (ここで $\t{mod}(X_{n-1}+A_n, 3)$ は $X_{n-1}+A_n$ を $3$ で割ったときの剰余である).また $X_n$ は $0,\,1,\,2$ のどれかに限定されていることがわかる.
今回の問題は,「平方数であるか」という命題を,次の形の漸化式
\begin{align*}
&X_0=C,\\[5pt]
&X_{n}=F (X_{n-1}, A_n)
\end{align*}($C$ は定数,$F$ は何らかの 2 変数関数) から定まる,有限値 $N$ より小さい自然数からなる数列 $(X_n) $について,その末項 $X_{K}$ を用いた条件判定
\begin{align*}
X_{K}\in S\ \t{なら真,それ以外は偽}
\end{align*}で表現できるかということである.
その命題の表現があるなら,それを示してください.その命題の表現がないなら,ないことを証明してください.
出題:小谷善行 (東京農工大学名誉教授)
出題2
自然数の 3 組 $(1,5,10)$ はその異なる二つを選び掛け合わせて $1$ 引くと平方数になります.$(2,5,13)$ という 3 組も同じことが成り立ちます.このような性質を持つ自然数の 3 組が無限に存在することを示してください.
また $(3, 8, 21)$ という 3 組は異なる二つを選び掛け合わせて $1$ を足すと平方数になります.このような 3 組も無限に存在することを示してください.
出題:米澤佳己 (豊田工業高等専門学校)
応募規定[解答掲載2024年5月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:2月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:2月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2024年2月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2024年2月号
- 解答・講評は,本誌2024年5月号にてご確認ください.
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