『スタートライン民法総論[第4版]』(著:池田真朗)

一冊散策| 2024.02.13
新刊を中心に,小社刊行の本を毎月いくつか紹介します.

 

 

待望の『スタートライン民法総論〔第4版〕』が刊行されました。

本書は幸いにも多くの教科書採用の指定を受けていますが、「独学用」教科書としてもまた優れた1冊。総298ページでカバーされるのは総則の範囲とそれを学ぶうえで必要となる物権法、債権法、家族法の基礎知識。これまでの3回の改訂を重ねる中で、池田先生がその度に取捨選択をされています。そうして厳選された情報を、読みやすい本文はもちろんのこと、トランプマークでランクづけされた注意書、ここがノウハウ・条文の読み方などの補足情報によって、さらに理解をサポート。独学していても、つまづかない工夫がされています。

まるで先生が横でアドバイスしてくれているような各課のコラムと学生4人の成長物語も含め、こんなにも独りで読み進められる教科書はありません。また、なぜ「総則」ではなく「総論」なのか――。

この点も、本書の大きな特徴の1つですが、ぜひその理由については、下記の「はしがき」を読んでください。

編集部

第4版はしがき

定価:税込 2,530円(本体価格 2,300円)

本書は、民法学習を志した人たちが「最初に読む本」として設計された。幸い読者の支持を得て、初版は6刷、第2版は5刷、第3版も5刷を重ねて、このたび第4版を世に問うことになった。

この数字からは、本書は、初学者に本格的な民法学習の正しい道しるべを与えるという重大な責任を、これまである程度果たせてきたように見える。ただ、今度の第4版は、実はこれまでに経験のない、新たな任務を与えられたようなのである。それを与えたのが、今日の「時代」であるということをまず述べておかなければならない。

第3版を世に送ったのは、2018年1月である。当時、民法は2017年5月に債権関係の約120年ぶりの大改正を受け、その改正は2020年4月1日に施行された。本書第3版は随時その改正に対処し、さらに2022年4月施行の民法改正では成年年齢が18歳に引き下げられ、婚姻適齢も変更されるという大きな改正があり、5刷でそれに対応する修正も施した。

しかしそれらは、うわべの対処に過ぎなかったのではないか。というのは、民法という基本法がこれだけ頻繁に大きく変わるというのは、世の中全体が、つまり時代が変革の時代になった、ということなのである。2020年初頭からの新型コロナウイルスの蔓延は、今思えばそれを加速させた一つの象徴的な現象に過ぎなかった。

国連の提唱するSDGsは、2030年までの到達目標とされるが、2030年になっても地球温暖化は収まらず、貧困や飢餓はなくならないと予想される。人々の生活や生命の「持続可能性」を考えることは他人事ではないのである。

そして一方で社会のIT化、DX化が進展し、AIや仮想空間が発達する時代になったが、それらは人間社会に利便だけをもたらすものではなく、さまざまな危険をも与えるものであることが明らかになりつつある。

この変革の時代には、法律の役割もあり方もどんどん変わる。したがってその学びの姿勢も、教授法も、変わらざるをえないのである。

ことに、私法の基本法である民法は、かつては、基本法があまり頻繁に変わると法的安定性が害される、などと言われることがあった。ただその考え方は、必要以上に「今あるルール」の解釈論に偏重して、新しい事態に適切に対処する、「これからのルール」を作る立法論が育たない状況を生んだ。法律を学ぶ諸君も、法律を暗記の学問と誤解して、教わったことを解答用紙に再現することにばかり注力して、新しいルールを考える学習などはする機会がほとんどなかったといってもよい。

しかし、たとえばこれからの法学部生は、卒業して自分たちが入っていくそれぞれの社会環境で、人々を幸福にする最適なルールを作れる人にならなければならない。これからの法学教育は、そういうルール創りができるための「想像力」や「創造力」を涵養するものにならなければいけないのである。

それゆえ、本書第4版は、第3版と記述内容こそそれほど大きな違いは見られないかもしれないが、その教育コンセプトにおいては、相当な違いがある。そして、その新コンセプトを鮮明にするために、本文冒頭に「読み始める前の質問コーナー」を新設し、本文中には、何個所か「ルール創りの観点から」という囲みの文章を置いた。

変革の時代に民法を、もっといえば法律学を、学び始めるすべての初学者に、その本書の意図をご理解いただきたいと切に思う。

第4版の出版にあたっては、初版から引き続いて、日本評論社編集部の室橋真利子氏に大変にお世話になった。ちなみに室橋さんは、私の慶應義塾大学でのゼミのOGである。また今回の改訂にあたっては、私が現在教鞭を執っている武蔵野大学の池田ゼミOBで2022年度司法試験に合格した、坂井理央君と渡邊亮太君にご意見をいただいた。お二人には深く感謝申し上げるとともに、今後のご活躍をお祈りしたい(なお、再校段階では、池田ゼミ2023年度司法試験合格者の4名の諸君に校正の支援を受けたことを付記する)。

2023年11月
池田真朗

第2版はしがき

「教えとは、希望を永遠【とわ】に語ること」

――アラゴン『フランスの起床ラッパ』より

1冊の本には、どんなことができるだろう。……こんな書き出しで、私は『スタートライン債権法』のはしがきを書き、世に送った(日本評論社、初版1995年、第5版2010年)。本書初版は、その姉妹編として2006年に出版されたものである。

たとえば大学のテキストであるならば、まずはその科目の正確・適切な情報を伝達するものでなければならない。けれどもそれが初学者のための入門書ということになれば、誤りのない情報を伝達するだけでは足りない。テキストの要素に加えて、学習方法のガイダンスの要素も持たなければならない。そしてそれらの情報を、やさしく、かつ興味深く読者に伝える工夫もなければならない。さらに、入門書がその分野への導きの書であるならば、読者にその分野の魅力を伝え、その分野に入っていく勇気を与えることもできなければならないはずである。……それら全部を実現したいという、大変欲張りな意図を託した『スタートライン債権法』は、幸いなことに、多くの読者の支持を得て第5版にまで至ることができた。

本書の狙いも、これと変わることはないのだが、本書はさらに欲張りを2つ増やした。それは、まず①民法という全国の大学の法学部で最も多くの単位数を与えられている広範な科目の、「総則」という最初の部分を学習するために、理解を容易にして学習効率を高める目的で、5つの編からなる民法典の全体をまず概観してから本論に入ろうとしているのである。したがって、本書は1冊で、いわゆる民法全体の入門と、民法第1編「民法総則」の入門書を兼ねる形となっている。それが書名を『スタートライン民法総論』とした所以である。さらに、②補論的には、2004年からの法科大学院開設を受けて、これから法を学ぼうとする諸君が、どのようにその法律学習をご自分の将来の進路に結び付けていくべきなのか、についての指針を示そうとしたことである。

そしてこの第2版では、縦組みを横組みに改めて、内容も全面的なリニューアルを図った。具体的には、重要判例を増補し、第13課の法人のところ等は新法の施行に合わせて大きく書き改め、コラムの文章も修正し、前後のレファレンスも強化した。新しく「Grade up」という項目も設けている。

したがって改めて本書のターゲットとする読者層は、まったくの初学者から、法科大学院の入学者(未修者だけでなく既修者も)まで、多様である(ただし法科大学院入学者は、後述するように、この本を基礎知識の確認本として短期に読み切っていただきたい)。

本書の構成から説明しよう。上記のような構成を取ったことには理由がある。私は『スタートライン債権法』で、民法の勉強は総則から入ると面白くない、だから第3編の債権から勉強するのだと説いた。けれども、たとえば大学のカリキュラムとして民法は総則から入るところがやはり多い。初めて民法を学ぶために本書を手に取った読者にも、「民法は面白くない、わからない」と思わせては絶対にいけないということなのである。

民法総則は、民法全体の、とりわけ財産法関係を扱う民法前3編(第2編物権、第3編債権)の、総合的共通的規則である。だからこそ、第2編物権や第3編債権の中身がわからずに共通規則だけを学んでも面白くないし理解ができない、ということになる。そのために、債権の中の契約などの具体例を挙げながら講義するのがよいとされるのだが、その具体例に出てくる制度や用語についてはまだ学んでいない、というのでは、やはり学ぶ側としては理解に苦しんでしまうのである。そこで本書は、民法総則を理解するのに最低限必要な民法全体の知識を先に概説する(「新しいことを教えるのに、まだ教えていない専門用語などを使ってはいけない」というのは、『スタートライン債権法』執筆の際にも私が強く心掛けたことである)。その結果、副次的に得られる効果として、読者はまず民法全体の鳥瞰図を手にしてから、民法総則の学習に入ることになる。実は、最近の大学法学部では(あるいは他の学部でも)、民法全部を必修にしているところは少ないので、民法の一部分だけを虫食い的に勉強して卒業してしまう諸君も少なくない。そういう人たちに、まず民法の全体像を知ってもらおう、という意図も私にはある。もちろん、二兎も三兎も追って失敗してはいけないのだが、「1冊の本にできること」を貪欲に追求する姿勢があることを、読者には理解していただきたい。さらに、民法総則の中でも、実は条文順に記述すると、新しいことを学ぶ際に、まだ学んでいない概念等が頻出してしまう。法人のところなどはその最たるものである。したがって本書はその観点から、総則部分の章立ての順序を若干組み換えてある(ただし条文を一つひとつばらばらにしたりはしていない)。

さて、21世紀に入って、法の世界は大変な変革期を迎えている。第1には、私法の様々な分野で大規模な法改正や新法の制定が行われ、私法の基本法である民法の世界でも、契約(債権関係)を中心とした本格的な改正の審議が2009年から始まっている。第2には、司法制度改革が実施されて2004年4月から法科大学院が全国に開校され、法曹になるための司法試験の仕組みも大きく変わった。

その変革の動きの中で、今、読者は何を学び、どう人生の選択をしなければならないのか。足を地に着けて、現在学ばなければならないことを、正しい姿勢でしっかりと学び、それを将来に生かす。そのための民法入門テキストが存在しなければならないと、私は考えた。それがこのタイミングで第2版を世に送る理由である。

ただ、ここで一言付け加えておきたい。伝えるべき情報が変化する場合には、もちろんテキストはその変化には迅速に対応しなければならない。けれども一方で、単なる情報のレベルを超えて、変わらずに必ず伝えなければならないものも存在するのではなかろうか。また、その情報を伝える手法も時代によって変化するだろう。テレビゲームからインターネットという世界で育ってきた今の大学生諸君には、ロールプレイングゲームに擬したようなテキストの作り方なども考えられるかもしれない(実際、本書でもその「発想」は取り込んでいる)。けれども、私はここでしっかり述べておきたい。法を学び、用いるということは、ゲームではない。それは、生きた人間を知ることであり、人間の愛情や憎悪や、必ず犯すあやまちや、汗や涙を知ることなのである。バーチャル・ワールドに身を置いていては、法律は、ことに民法は、決して理解できない。本書ではそのことも、しっかり伝えておきたい。

具体的に本書の執筆コンセプトについて述べておこう。

本書は、読者層として、まずは大学法学部生でこれから民法を本格的に学ぼうとする人、さらには法学部以外の学部からロースクール入学を目指して学習を開始しようとする人を想定して、「独習できる入門書」となるように書かれている。いきなり内容の記述に入るのではなく、読み進むためのガイダンスから記述されているのはそのためである。各課のコラムも、上記②に書いた進路アドバイスを兼ねている。

もう一つ、独習書としての本書は、本格的な民法学習で使用する、いわゆる基本書と呼ばれるレベルのテキストを読む前に読むべき本として書かれている。したがって、全くの初学者だけでなく、たとえば法科大学院の新入生(主に未修者が対象だが、既修者であっても)にも、基礎の確認として本書を活用してほしい。法科大学院生の場合は、この本を「短期の読み切り本」として使い、「知らないことはないか、理解の仕方が間違っているところはないか」を検証してほしいのである。

一方で本書は、大学等で民法総則のテキストとして半年ないし1年間の講義に使用されることも十分可能なようにさまざまに配慮してある。その場合、前半の民法全体の概観は、第2課以外は講義担当者の判断で取捨選択しながら簡略に終了し、第5課以下の民法総則プロパーの内容に入っていただければよい。民法総則の中の記述の順序の組み替えは、先に述べたように、徹底して学生諸君の理解しやすさに配慮したものであって、決して著者が個人的な体系等を考えて組み換えたものではない(私は、入門書においては著者が自分の好みで法典の条文編成をばらばらにしてまとめ直すことはするべきではないと考えている)。したがって各課の中の記述は民法の条文編成順をほとんど崩していないので、法学部生や司法試験の勉強をこれから始めようとするレベルの学生を対象とする場合は、担当者が各課について論点や判例・学説を補足しながら講義していただければ幸いと考えている。なお、そのために中級者や上級者向けの課題もいくつか提示してある。本書独自のトランプマークは、♡はまったくの初心者向け、♢は多少民法の学習をしたことのある人向けの注であり、♣と♠のついている注は中・上級者向けである。

法学部以外の学生を対象とする講義の場合は、逆に前半に比重を置いて民法入門の4単位程度のテキストとして使用することも可能と思われる。「独習できる入門書」としての性質は、たとえば大学通信教育課程の学生諸君や、大学生以外の一般の方々が独学で民法を学ぼうとする場合にも適合すると思う。なお、姉妹書『スタートライン債権法』の読者のために、本文中に同書の記述箇所のレファレンスを付した。

最後に一つだけ新しい情報を書き加えておこう。わが国で2009年以降進行中の民法(債権関係)改正の審議では、「契約」の部分を中心に民法の債権関係を修正するという議論がされている。「契約」については、ウィーン売買条約などによって国際的なルールの統一化が図られているところであり、明治時代に作られた現在の民法をわかりやすくすると同時に、そういう国際基準に調和させる観点も重要と考えられている。そのような趣旨で「契約」を中心に民法改正を考えるということから、現在は、債権法の改正だけでなく、民法総則の中の、意思表示、法律行為、代理、時効なども検討の対象となっている。最終的にどのような改正になるかはまだわからないものの、「民法総則を学ぶのに契約から入る」という本書の2006年の初版以来の構成が、この民法(債権関係)改正の議論の方向性と調和し適合していることは確かといえよう。少なくとも、本書の構成で学んでおけば、民法が新しくなった場合の学習に戸惑うことはないと思われる。なお本書では、上記のウィーン売買条約など、契約ルールの国際基準と考えられるものについても言及しておくことにした。現代の民法学習の新しいモデルを本書が提示することになれば、これに勝る喜びはない。

本書をまとめる上では、初版に引き続いて、日本評論社編集部の加護善雄氏と室橋真利子氏に大変お世話になった。ことに、室橋さんは、私の慶應義塾大学法学部のゼミの教え子である。さらに第2版では、同じく卒ゼミ生の奥村由佳さんと、慶應義塾大学法科大学院修了生の松倉香純さんにもお手伝いをいただいた。お2人にも心からの感謝を申し上げたい。多くのご縁の重なりに、教師としての至福を思うばかりである。

2011年11月
池田真朗

目次

読み始める前の「質問コーナー」

《ガイダンスと概観》

第1課 ガイダンス

◎1 読者へのメッセージ
◎2 学習の準備

(1) 民法学習に入る精神的準備・民法のイメージ
(2) 民法学習に入る物的準備

◎3 民法の対象範囲
◎4 民法典の概観

(1) 民法典の構成
(2) 物権と債権
(3) 民法典の成立と沿革

◎5 法体系の中の民法の位置づけ

(1) 私法の基本法としての民法
(2) 一般法と特別法

◎6 民法の特徴――意思自治(私的自治)の原則

(1) 意思自治の原則と契約自由の原則
(2) 任意規定と強行規定

◎7 小括・民法の学習の考え方

第2課 民法総則予告編

◎1 民法総則予告編

(1) 民法総則の性質と学習の順序――民法学習の最大の問題
(2) 「理解」する学習
(3) 本書の提案
(4) 民法総則のポイントと学習の手順
(5) 民法総則の最初の規定
(6) 意思表示と法律行為

◎2 本書の使い方のガイダンス

第3課 債権法の概観

◎1 債権法の概観

1 人に対する権利としての債権
2 債権の基本的な性質
3 資産としての債権
4 債権の種類
5 債権の発生原因

◎2 契約法の重点学習

1 契約の成立
(1) 契約の定義
(2) 債権契約
(3) 契約の部分の規定の意味
(4) 契約の種類
2 契約の効力・拘束力と相対効
3 債務不履行
(1) 総説
(2) 債務不履行の種類
(3) 損害賠償
(4) 契約の解除

◎3 不法行為法の重点学習

1 基本イメージ
2 不法行為とは
3 不法行為の損害賠償の発想
4 不法行為の成立要件
5 不法行為の効果
(1) 金銭賠償の原則
(2) 過失相殺

◎4 債権総論の概観

1 債権総論の内容
2 債権総論の規定の意義――取引実務上の重要性

第4課 物権法と親族・相続法の概観

◎1 物権法の概観

1 資産の中の「物」と物権
2 民法総則における「物」の定義
(1) 物、不動産と動産
(2) 主物と従物、元物と果実
3 物権の定義と物権法定主義
4 物権の種類
5 物権法の構成のまとめ
6 物権法総論の重点学習
(1) 物権的請求権
(2) 物権変動
(3) 動産における占有と即時取得
7 担保物権法の重点学習
(1) 担保の概念
(2) 抵当権の概観

◎2 家族法の意義と位置づけ

◎3 親族法の概観

1 婚姻
(1) 婚姻の成立
(2) 夫婦間の契約
2 親子
3 養子
4 親権
(1) 親権と親権者
(2) 親権の内容
5 後見・保佐・補助

◎4 相続法の概観

1 相続による権利・義務の承継
2 遺言相続と法定相続

《民法総則》

第5課 意思表示と法律行為・人の法律上の能力

◎1 意思表示と法律行為

1 はじめに
2 法律行為再論
3 任意規定

◎2 人の法律上の能力

1 権利能力と意思能力と行為能力
2 制限行為能力者
3 後見・保佐・補助
4 制限行為能力者の保護
(1) 制限行為能力者の行為の取消し
(2) 制限行為能力者とする手続としての審判
(3) 制限行為能力者の相手方の保護
(4) 任意後見制度

第6課 意思表示総論・各論

◎1 意思表示総論

1 はじめに
2 意思表示の構造
3 問題のある意思表示

◎2 意思表示各論(問題のある意思表示)

1 心裡留保
2 虚偽表示
3 錯誤
4 詐欺・強迫による意思表示
5 消費者契約法の規定

◎3 意思表示の効力

第7課 代理(1)

◎1 代理の意義と構造

(1) はじめに
(2) 意思自治と代理制度の意義
(3) 代理の機能と代理に類似する制度
(4) 任意代理と法定代理
(5) 代理のメカニズム
(6) 代理の基礎理論
(7) 代理権の範囲
(8) 代理権の濫用
(9) 復代理
(10) 自己契約・双方代理の禁止
(11) 代理権の消滅事由

第8課 代理(2)

◎2 無権代理と表見代理

(1) 無権代理
(2) 表見代理
(3) 無権代理人の責任と表見代理の関係
(4) 表見代理規定の重畳適用の明文化
(5) 表見代理の重要性

第9課 無効・取消し

(1) 総説
(2) 類似の概念
(3) 無効と取消しの区別
(4) 無効の効果
(5) 取消権者
(6) 取消しの方法
(7) 取消しの効果
(8) 取り消すことのできる行為の追認
(9) 取消権の消滅時効

第10課 条件・期限、住所・失踪

◎1 条件・期限

(1) 序説
(2) 条件
(3) 期限

◎2 住所・失踪

1 住所・居所
2 失踪(不在者の財産管理)
(1) 不在者とその財産管理
(2) 失踪宣告

第11課 時効(1)・期間の計算

(1) 総説
(2) 消滅時効と取得時効
(3) 時効制度の存在意義
(4) 期間の計算
(5) 時効の効力
(6) 時効の更新と完成猶予
(7) 時効の援用と放棄
(8) 除斥期間

第12課 時効(2)

◎1 取得時効

1 所有権の取得時効総説
2 20年取得時効の要件
(1) 所有の意思ある占有
(2) 平穏かつ公然の占有
3 10年取得時効の要件
(1) 20年取得時効と同一の要件
(2) 善意無過失
4 所有権以外の財産権の取得時効
5 占有の継続と承継
(1) 自然中断
(2) 占有継続の推定
(3) 占有の承継
6 取得時効の効果
(1) 権利取得の形態
(2) 権利取得の時期

◎2 消滅時効

1 消滅時効総説
2 消滅時効の適用範囲
(1) 消滅時効にかかる権利とかからない権利
(2) 他の権利に付従して消滅時効にかかる権利
(3) 形成権の消滅時効
(4) 抗弁権の永久性
3 消滅時効の要件
(1) 消滅時効の時効期間
(2) 消滅時効の起算点

第13課 法人

(1) 序説
(2) 社団法人と財団法人、公益法人と中間法人、一般社団法人と一般財団法人
(3) 法人の設立主義
(4) 法人の根本規則
(5) 法人設立の登記
(6) 法人の権利能力
(7) 法人の機関
(8) 法人の業務の監督
(9) 法人の不法行為
(10) 法人学説
(11) 権利能力なき社団と中間法人

第14課 補講

◎1 民法典の歴史

(1) 法典編纂とボワソナード旧民法典
(2) 明治民法典
(3) 民法現代語化改正
(4) 民法(債権関係)改正
(5) 変革の時代――さらに続く民法改正
(6) 民法改正と「契約の国際基準」への対応

◎2 法律用語フラッシュ

(1) 近代私法の3大原則
(2) 適用・準用・類推適用・援用
(3) 善意・悪意・害意・背信的悪意・故意・過失

◎3 学習上のポイント
◎4 試験の受け方
◎5 民法学の旅路

判例について
●事項索引
●条文索引
●判例索引
●アイテム索引

書誌情報など