【対談】「日本型雇用」はどこへ行く?(経済セミナー2024年6+7月号)
特集から(経済セミナー)| 2024.05.27
デジタル技術の急速な発展、テレワークやフリーランスなどの新しい働き方への注目、転職市場の活性化などの大きな環境変化の中で、労働市場をめぐる多様な問題が指摘されてきた。今回は、私たちを取り巻く社会背景の移り変わりも視野に入れつつ、経済学と法学の視点から将来を見据えた改革のあり方を問い直す。
1 はじめに
—今回は、労働法学者の大内先生と、労働経済学者の太田先生のお二人のディスカッションを通じて、将来目指すべき労働市場改革の方向性を考えていきます。まずは自己紹介からお願いします。
大内 神戸大学で労働法を担当している大内です。本日は法学者の立場から、近年の日本における労働市場改革や将来の展望について議論できればと思います。ただ、法学者の立場といっても、さまざまなものがあるので、まずは私自身が現在どのようなスタンスで労働法の研究に取り組んでいるかについて少しお話ししておきたいと思います。