【ディスカッション】これからの日本経済と金融政策の針路(経済セミナー2024年10+11月号)
特集から(経済セミナー)| 2024.09.26
1 はじめに
植田 東京大学の植田です。ディスカッションのモデレーターを務めさせていただきます。ここまでパネリストの 3 名からそれぞれ講演をいただきました。青木浩介さんからは、マクロ経済学の先端的な分析に基づき、日本で低インフレが続いてきた要因を考えるうえでの見方と、賃金・物価水準の決定要因について解説をいただきました。白塚重典さんからは、植田和男総裁就任以降の日銀の政策運営を、近年の経済動向もふまえて説明したうえで、2 %インフレ目標に対するいくつかの考え方をご紹介いただきました。そして戸村さんからは、日銀が異次元緩和政策の中で行ってきた大規模な国債買入れの効果をどう考えるべきかについて、日銀の見方やご自身による分析結果もふまえてお話しいただきました。ここからは、皆さんが講演の中で示された見解をふまえて、より議論を深めていきたいと思います。