「虎に翼」をさらに詳しく!
書籍で「虎に翼」を詳しく知る
第1部は、「虎に翼」取材担当のNHK解説委員清永聡さんが、長年の取材をもとに執筆した三淵嘉子さんの評伝。三淵嘉子さんの人生や法曹としての功績を振り返ることができます。第2部では、「家庭裁判所の父」宇田川潤四郎さんや、「殿様判事」内藤頼博さんなど、三淵さんをとりまく5人の人物を紹介。第3部では、三淵さんの実弟武藤泰夫さんや、三淵さんと交流のあった後輩裁判官などが三淵さんの人柄や功績を語ります。第4部は、初公開となる、三淵さんを含む家庭裁判所創設期のメンバーによる「レジェンド座談会」。家裁創設期の緊迫感・苦労、そしてレジェンドたちから伝わる家庭裁判所の自由な雰囲気を感じることができます。「虎に翼」に描かれたあんな場面やこんな場面、実際にあったのかな? そんな疑問にも答えてくれる一冊です。
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『三淵嘉子と家庭裁判所』(編著:清永聡)
▽佐賀千惠美『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』
三淵嘉子さん、中田正子さん、久米愛さんという日本で初めて女性で弁護士になった3人のドキュメンタリー。著者の佐賀千惠美さんは、中田さんご本人や、三淵さん・久米さんのご家族を丹念に取材し、本書を執筆。日本初の女性弁護士3人の歩んだ道のりや法曹としての功績を詳しく知ることができます。「虎に翼」明律大学編の女子部の奮闘を振り返るのにもおすすめです。
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『三淵嘉子・中田正子・久米愛 日本初の女性法律家たち』(著:佐賀千惠美)
○書評
知りたい。日本初の女性法律家たちの人生……(三輪記子)
戦後の混乱のなか、日本国憲法の理念に基づいて誕生した家庭裁判所。女性、高齢者、戦災孤児……戦争で傷つけられた弱い立場の人々を支援し救済するために、奮闘した人たちがいました。
「愛の裁判所」家庭裁判所は、誰が作り、どのように整備・運営されてきたのか。設立当時の理想は現在に至るまでどのように受け継がれてきたのか。
NHK解説委員の清永聡さんが、取材によって得た貴重な証言や資料から丹念に描きます。
家庭裁判所設立にかかわった熱意ある裁判官たちの、愛と苦闘のノンフィクション。「虎に翼」の原点が、ここにあります。「虎に翼」裁判官編の振り返りにもおすすめです。
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『家庭裁判所物語』(著:清永聡)
法律時報・法学セミナーからみる三淵嘉子とその時代e-Book(Amazon Kindle版)
三淵さんが法律家になったころ、女性は法的にどのような立場にあったか、女性への法学教育の道はどのようにひらけたか、戦争へと進んでいくなかでどのような事件・裁判が起こっていたか。本シリーズは、日本評論社の月刊法律専門誌「法律時報」「法学セミナー」から、関連記事をまとめて電子書籍化したものです。
女性初の弁護士、判事、裁判所長の三淵嘉子。昭和15(1940)年に、高等試験司法科に合格し、日本初の女性法律家になりました(当時は、武藤嘉子)。法律家を志した経緯や裁判官として信念を語った、三淵嘉子本人へのインタビュー、参政権・労働問題・離婚・親権など、女性の法律問題を穂積重遠らが論じた座談会を収録。
現代家族法の父と呼ばれ、明治大学専門部女子部の設立、女性法律家の誕生にも貢献した、穂積重遠(ほづみ しげとお、1883〔明治16〕年~1951〔昭和26〕年)。我妻栄が穂積の没後彼を評した講演会の記録、穂積が長年にわたる民法学者としての自身の研究・活動を振り返った論説を収録。
戦争へと向かっていく時代、世間を揺るがすいくつもの大きな事件がありました。戦前最大の疑獄事件といわれる帝人事件(1934年)、言論弾圧事件である河合栄治郎事件(1938〜1943年)・横浜事件(1942年)。帝人事件の判決文を書いた石田和外へのインタビュー、特別弁護人であった穂積重遠本人による弁論の記録、河合栄治郎事件・横浜事件の弁護人であった海野普吉へのインタビューなどを収録。
三淵さんは、戦後まもなく、司法省民事部民法調査室に配属され、明治民法の家制度を廃止した新民法の改正作業を手伝いました。家事審判における新民法の実現を三淵嘉子・穂積重遠らが論じた座談会、戦後の民法改正にあたり明治大学専門部女子部出身の法学者である立石房枝らによる意見書を収録。
昭和30年代、被爆者が国賠訴訟を提起し、原爆投下の違法性が初めて争われた「原爆裁判」。1963(昭和38)年12月7日、東京地方裁判所は原爆投下を国際法違反と判断しました。三淵嘉子は8年にわたる裁判を第1回から結審まで担当しました。国際法学者の寺沢一による判決の分析、裁判で原告側の鑑定人をつとめた国際法学者安井郁の、鑑定の大要と判決の評価、そして憲法学者である佐藤功の論文を収録。
「虎に翼」穂高重親教授のモデル、穂積重遠の著書
読み物風の民法(明治民法)の入門書です。「妻の無能力」の項は必見!?
○Amazon Kindle版
○日評アーカイブズ PDF版(+POD版)
資料を基に江戸時代の離婚制度を研究した本。
「離縁状(三行半)」(本書に掲載)や離縁を望む妻が駆け込む「縁切り寺」の制度を通して、江戸時代の夫婦関係と離婚手続の概要をうかがい知ることができる一冊です。
初版は、戦前の憲法をはじめとする法体系を前提に書かれていましたが、1945年の戦災で日本評論社は在庫も紙型も焼失。そして、日本国憲法の公布、民法大改正を受けて、大改訂されたのが本書です。「第9章 法律の体系」にそれが現れています。
「虎に翼」登場の言論弾圧を受けた教授のモデル、河合栄治郎の著書
1938年に内務省により「安寧秩序を紊乱するもの」として発売禁止処分に付された本。これが「河合栄治郎事件」とよばれる思想弾圧へとつながっていったのです。※書影は紙の書籍です。
○紙の書籍(新装復刻版)
○日評アーカイブズ PDF版(+POD版)
1935年から没年(1944年)までの日記・遺稿集。天皇機関説事件に際しての危機感と鋭い洞察、やがて自らに降りかかった言論弾圧(河合栄治郎事件)との格闘の日々、大学を去ってのちも学生に説き続けた理想主義が綴られており、ファシズムと闘って激動の時代を生きた知的巨人の晩年の足跡を辿ることができます。
戦後の民法改正
戦後における民法第4編親族、第5編相続の改正経緯および資料を一書にまとめた唯一の記録。重要問題の審議過程については、我妻榮、中川善之助、村上朝一、奥野健一ら関係者の座談会形式で収録しています。
家庭裁判所について詳しく知る
みなさんは、家庭裁判所について、どのようなイメージを持っていますか。
社会のなかで弱い立場の人々を支援するという、一貫した理念をもつ家庭裁判所。
現在、家庭裁判所ではどんな事件を扱い、どういった手続を行うところなのでしょうか。実際にその手続にかかわるのはどのような人たちなのでしょうか。
戦後まもなく産声を上げた、社会的弱者のための裁判所「家庭裁判所」では、令和の今、どんなことが起きているのでしょうか? そして「家庭裁判所調査官」とは、どんなお仕事? 普段は手続非公開のベールに隠れている“中の人”が、リアルな現場の点景をお伝えします(事件はすべて、家裁に係属する事件の特徴を踏まえて創作した架空のものです)。
▽高島聡子『家裁調査官、こころの森を歩く — 離婚、親権、面会交流、そして少年非行』
『こころの科学』に連載されたコラム「こころの現場から」と、「Web日本評論」に連載された「ただいま調査中! 家庭裁判所事件案内」というエッセイをまとめ、家庭裁判所や家裁調査官に関する解説を付し書籍化。『虎に翼』で話題の家庭裁判所では、令和の今、どんなことが起きているのか。現役家裁調査官が現場のリアルを生き生きと伝える。乃南アサさん推薦!
○本文の試し読みはこちらから
『家裁調査官、こころの森を歩く — 離婚、親権、面会交流、そして少年非行』(著:高島聡子)
「虎に翼」法律考証担当が語る明治大学法学部と女子部
▽(第4回)いち早く法学を志す女性に門戸を開く/明治大学博物館企画展「女性法曹養成機関のパイオニア――明治大学法学部と女子部」(連載/すごい!大学の図書館、博物館)
明治大学博物館の企画展「女性法曹養成機関のパイオニア――明治大学法学部と女子部」を取材しました。「虎に翼」法律考証担当の村上一博明治大学法学部教授のインタビューも必見です。
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