序文(特別企画:双極症と生きる)(編:鈴木映二)
特別企画から(こころの科学)| 2024.10.17
心理臨床、精神医療、教育、福祉等の領域で対人援助にかかわる人、「こころ」に関心のある一般の人を読者対象とする学術教養誌「こころの科学」。毎号の特別企画では、科学的知見の単なる解説ではなく、臨床実践に基づいた具体的な記述を旨としています。そうした特別企画の一部をご紹介します。
(毎月中旬更新予定)
◆本記事は「こころの科学」238号(2024年11月号)の、鈴木映二編「特別企画:双極症と生きる」に掲載されている序文です。◆
筆者が双極症の当事者会で出会った数多くの方々は互いに助け合い、ときに傷つけ合いながら必死にその波と闘っている。このようなつらい疾患に苦しめられながらも一人ひとりは、個性が強く才能もあり人間味にあふれている。しかし、残念ながら日本という社会は、彼らを精神疾患というくくりの中に押し込めて、個人として理解しようとはしてくれない。