大麻が麻薬になる日―薬物(ドラッグ)は「悪」? 合法と違法の境界線とは?―
日本を含めて大麻に関する世界的な問題意識の高まりは、20世紀後半の現象です。しかし、大麻に関する科学的な研究が深まったのはここ数十年のことで、当時の犯罪化の根拠については科学性は希薄、むしろ政治的意味合いが濃厚でした。「ダメ。ゼッタイ。」の有名なキャッチフレーズにしても、大麻がなぜダメなのか、その根拠があいまいなままです。2023年に可決された改正大麻取締法の施行(2024年12月12日)が目前に迫る今、改めて大麻をはじめとした違法薬物と依存症、そして薬物政策について学び、日本の薬物政策の課題と影響、そしてこれからの社会の在り方について考えてみませんか。
園田 寿(そのだ・ひさし)
甲南大学名誉教授、弁護士。
今回の法改正を読み解くとともに、これまでの世界的な薬物政策の変遷をたどり、日本の薬物政策の方向性を考えます。
アディクションとはなにか──精神作用物質、合法薬物と違法薬物の線引き
野田哲朗(のだ・てつろう)
東布施野田クリニック理事長・院長、大阪人間科学大学特任教授。
人はなぜ、薬物(ドラッグ)にアディクト(依存症)になるのか。そして、なぜ、アルコール、タバコが合法薬物で、大麻、覚醒剤が違法薬物とされるのかについて考えます。
谷家優子(たにや・ゆうこ)
公認心理師。東布施野田クリニックカウンセラー、兵庫教育大学カウンセラー、大阪人間科学大学・大手前大学非常勤講師。
薬物乱用防止のための「ダメ。ゼッタイ。」普及運動が、長年にわたってわれわれ国民に植え付け続けているスティグマとその悪影響について、大学生を対象にした調査をもとに考えます。
吉田緑(よしだ・みどり)
中央大学大学院法学研究科(刑事法専攻)博士後期課程在籍中
第4回は、大学生を取り巻く現状を概観し、今回の法改正による大学生への影響について考えます。
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