出題(2025年3月号掲載分)/応募締切(3月8日)/解答(2025年6月号掲載)
出題1
下図のように,直円錐を,その底面と平行でない平面で切ると,切り口は円でない楕円になります.この図において,まず直円錐の底面である円 C に注目しましょう.この円は,図中では楕円で描かれていますが,それは我々には「円は,ふつう楕円に見える」からです.ただし,直円錐の軸上から底面の円 C を見ると円に見えるので,「円は,多くの場合楕円に見えるが,円に見える視点もある」というのがより正確な表現になります.次に,図中の楕円 E に注目しましょう.直円錐の頂点 V から見ると,楕円 E は底面の円 C と重なって見えます.このことは,「楕円は,多くの場合楕円に見えるが,円に見える視点もある」ということを表しています.
では,次の設定の下で,楕円が円に見える視点の集合がどのような図形になるかをお答えください.
問題 3 次元座標空間において,xy 平面上に楕円
x2a2+y2b2=1(a>b>0)を置く.この楕円を含む直円錐を考えたとき,直円錐の頂点 Vの軌跡を述べなさい.ただし,V の z 座標は 0 でない範囲で考えるものとします.
出題:前田陽一 (東海大学理学部)
出題2
自然数 n と k を固定する.あみだくじを作るため,縦に n 本の線分を引き,その上の頂点を順に A1,⋯,An,下の頂点を順に B1,⋯,Bn とする.また,a∈{A1,⋯,An} と b∈{B1,⋯,Bn} を取る.このとき,隣り合う二つの縦棒を結ぶように水平な横線を k 本引いて,できるあみだくじを考える.ただし,横線どうしは繋がったり,交差したり,同じ高さに引かれたりしないものとする.また,二つのあみだくじは,上から j 番目の横線が結ぶ縦線の組がすべて同じときに,同じものとみなす.ゆえに,あみだくじの総数は Pn,k=(n−1)k である.
このようにできるあみだくじのうち,a が b に移るものの総数を Pn,k(a,b) としたとき,その商 Pn,k(a,b)Pn,k を求めよ.特に,極限
limk→∞Pn,k(a,b)Pn,kが存在することを示し,その極限値を求めよ.
また,余裕があれば,取る頂点が複数個の場合,例えば a,a′∈{A1,⋯,An} と b,b′∈{B1,⋯,Bn} を取ったとき,a が b に,a′ が b′ にそれぞれ移るものの総数 Pn,k((a,a′),(b,b′)) との商 Pn,k((a,a′),(b,b′))Pn,k がどうなるか,考察せよ.
出題:跡部 発 (京都大学大学院理学研究科)
応募規定[解答掲載2025年6月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:3月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:3月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2025年3月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2025年3月号
- 解答・講評は,本誌2025年6月号にてご確認ください.
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