(第2回)英国の EU 離脱と国際金融センターを巡る市場間競争
EUの今を読み解く(伊藤さゆり)| 2018.11.29
2019 年は EU にとって、イギリス離脱のほか、5 年に 1 度の欧州議会選挙、それに伴う EU の行政執行機関・欧州委員会のトップにあたる委員長の交代と体制の刷新、さらに首脳会議常任議長(通称、EU 大統領)、欧州中央銀行(ECB)総裁も交代するという大変革の年です。このコラムでは、こういったイベントを軸に EU の今を読み解いていきます。
(毎月下旬更新予定)
19 年 3 月 29 日(英国時間)に予定される英国の欧州連合(EU)離脱まで残すところ 4 カ月となった。
11 月 25 日に、EU と英国政府は、ようやく離脱条件などを定める協定と将来の関係の方向性を示す政治宣言の正式な合意に漕ぎ着けた。しかし、離脱のプロセスや将来の関係を巡る視界不良は続いている。
EU 離脱への対応を迫られる英国の産業界にとって重要な、離脱に伴う激変緩和のため現状を維持する「移行期間」を 2020 年末まで確保できるかも定かでない。