不適切ツイート裁判官に戒告処分 分限裁判で最高裁決定

ロー・フォーラム 裁判と争点(法学セミナー)| 2018.12.13
毎月、全国の裁判所で数多くの判決や決定が下される中から、私たちの社会に問題を提起する判決、法律学上の議論に影響を及ぼす判決など、注目の裁判を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。

(毎月中旬更新予定)

◆この記事は「法学セミナー」768号(2019年1月号)に掲載されているものです。◆

ツイッターで訴訟当事者の感情を傷付ける不適切な投稿をしたとして、東京高裁から懲戒を申し立てられた同高裁の岡口基一裁判官(52)に対する分限裁判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人最高裁長官)は10月17日、「裁判官に対する国民の信頼を損ねた」として戒告の懲戒処分とする決定を出した。インターネットへの投稿を巡り、裁判官が懲戒を受けるのは初めて。

裁判官14人全員一致の意見。東京高裁長官時代に今回とは別のツイッター投稿で岡口氏を厳重注意していた戸倉三郎裁判官は審理から外れていた。

「司法の独立」の観点から裁判官は憲法で手厚く身分が保証されており、懲戒処分には上級裁判所の分限裁判が必要になる。裁判所法は、裁判官が職務上の義務に違反したり、職務を怠ったり、品位を辱める行状があった時は懲戒されると定めている。岡口氏のツイートは勤務時間外に投稿されたもので、大法廷では投稿内容が「品位を辱める行状」にあたるかが審理された。

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