洋上風力発電設備の海域利用をルール化─洋上風力発電の長期的・安定的・効率的な実施に向けて
ロー・フォーラム 立法の話題(法学セミナー)| 2019.03.13
国会で成立する法律は数多くに及びますが、私たちの社会の制度変更に影響の大きい立法、私たちの生活に影響の及ぼすような立法など、注目の立法を毎月ひとつずつ紹介します。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。
月刊「法学セミナー」より、毎月掲載。
(毎月中旬更新予定)
◆この記事は「法学セミナー」771号(2019年4月号)に掲載されているものです。◆
背景、経緯等
2011年の東日本大震災等による社会情勢の変化を受け、わが国では、太陽光、風力等を利用する再生可能エネルギーの導入が大きな課題となっている。2012年には、電気事業者に対し、再生可能エネルギーで発電された電気を国が定める価格で買い取ることを義務付ける制度が導入され、再生可能エネルギーの導入が進んでいる。しかし、太陽光発電に比べ、風力発電の導入は微々たるものである。
洋上風力発電は、陸上よりも一般的に風の状況が良好であり、設備の部品について船舶輸送が利用できる等のメリットがある。他方、長期にわたる海域の占用が前提となることから、漁業者や海運業者等との間で海域の利用の調整を図る必要がある。