出題(2019年9月号掲載分)/応募締切(9月8日)/解答(2019年12月号掲載)
出題1
薄い銀紙でひとつひとつ包装されている「キューブ・チーズ」が 64 個ある.それぞれのキューブ・チーズの形は $1\times 1\times 1 $ の立方体であり,64 個が $4\times 4\times 4$ の箱にピッタリ詰めて置かれている.悪戯坊主がこの箱を包丁で一回だけ切り,ある平面に沿って真っ二つに割った.さて,無傷に残ったキューブ・チーズは最低で何個だろうか? 平面の厚さはゼロに限りなく近いとする.
出題:ピーター・フランクル
出題2
初歩の解析学の教科書を見ると,連続性に関係した関数の例がいろいろ与えられています.今回はそのような例の一つとして次のような不連続な関数 $f$ が存在することを示してください.(以後 $\R$ を実数全体の集合,$\N$ を自然数全体の集合とします.また,実数 $a<b$ に対して $(a,b)=\{x\in\R\,|\,a<x<b\}$ を開区間といいます.)
$f:\R\longrightarrow\R$ は実数値関数であって,関数 $f$ の定義域を,いかなる空でない開区間 $(a,b)$ へ制限したものも,すべての実数を値としてとる.
このような関数 $f$ がすべての実数 $x$ で不連続な関数であることは明らかです.
ヒントとして,次のような集合の族 $A_\alpha\ (\alpha\in B)$ の存在を示し,利用していただいても構いません.
1) $B=\{1,2\}^\N$ は 1 と 2 のみを値としてとる無限数列の全体の集合.
2) 各 $\alpha\in B$ に対して $A_\alpha\subseteqq\R$.
3) 各 $\alpha\in B$ と任意の空でない開区間 $(a,b)$ に対して $A_\alpha\cap(a,b)\ne\emptyset$.
4) $\alpha,\,\beta\in B,\,\alpha\ne\beta$ ならば $A_\alpha\cap A_\beta=\emptyset$.
さらにこのような集合族の存在を示すために,集合族 $X_\alpha\ (\alpha\in B)$ で
5) 各 $\alpha\in B$ に対して $X_\alpha$ は $\N$ の無限部分集合.
6) $\alpha,\,\beta\in B,\,\alpha\ne \beta$ ならば $X_\alpha\cap X_\beta$ は有限集合.
をみたすものを証明なしで使っていただいて構いません.($X_\alpha\ (\alpha\in B)$ の存在については『数学セミナー』2010 年 2 月号の「エレガントな解答をもとむ」に出題しています.解答は 2010 年 5 月号.)
また関数 $g:B\longrightarrow\R$ ですべての実数を値としてとるものの存在も必要なら証明なしで利用していただいて構いません.
出題:米澤佳己
応募規定[解答掲載2019年12月号]
郵送の場合
B5版の用紙をご使用のうえ,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5版のサイズで,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい.
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2019年9月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2019年9月号
- 解答・講評は,本誌2019年12月号にてご確認ください.