(3)トラウマのなかで起こる暴力(野坂祐子)
特別寄稿/いま、子どもの育ちを支えるためにできること| 2020.05.11
特別寄稿:いま、子どもの育ちを支えるためにできること
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、多くの子どもたちが不安を感じながら家庭で過ごしています。臨床心理士として児童福祉領域や学校現場で活動する野坂祐子先生(大阪大学大学院)に、子どもへの関わりでおとながこころがけるべきポイント、「トラウマインフォームドケア」の視点などについて解説いただきました。
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るうなか、多くの子どもたちが不安を感じながら家庭で過ごしています。臨床心理士として児童福祉領域や学校現場で活動する野坂祐子先生(大阪大学大学院)に、子どもへの関わりでおとながこころがけるべきポイント、「トラウマインフォームドケア」の視点などについて解説いただきました。
非日常というトラウマ
パンデミック(世界的大流行)によって、日常生活は大きく変わりました。生命に関わる感染症が蔓延し、外出や交流もままならないという緊急事態が続くと、社会全体が安全だと思えなくなり、安心できなくなっていきます。
このように、安全や安心が失われる状況は「トラウマ」というストレスにもなります。一般的なストレス発散ではうまく対処できず、時間が経っても楽になるわけではありません。むしろ、事態は悪化していきます。
野坂祐子(のさか・さちこ)
大阪大学大学院人間科学研究科准教授。臨床心理士、公認心理師。専門は発達臨床心理学とジェンダー学。主に、児童福祉領域や学校現場において、性被害・性問題行動などへの介入実践・研究を行う。著書に『トラウマインフォームドケア:“問題行動”を捉えなおす援助の視点』(日本評論社、2019年)ほか。
大阪大学大学院人間科学研究科准教授。臨床心理士、公認心理師。専門は発達臨床心理学とジェンダー学。主に、児童福祉領域や学校現場において、性被害・性問題行動などへの介入実践・研究を行う。著書に『トラウマインフォームドケア:“問題行動”を捉えなおす援助の視点』(日本評論社、2019年)ほか。