出題(2020年9月号掲載分)/応募締切(9月8日)/解答(2020年12月号掲載)
出題1
\begin{align*}
a=7\sqrt{11}+8(7\sqrt{11}+3\sqrt{3})^{\frac 13}
+8(7\sqrt{11}-3\sqrt 3)^{\frac 13}
\end{align*}とします.近似的には
\begin{align*}
68.60158545708098436\cdots
\end{align*}という値です.次に
\begin{align*}
b=
\sqrt{
48(35099+21\sqrt{33})^{\frac 13}
+48(35099−21\sqrt{33})^{\frac 13}
+1563}
\end{align*}こちらの近似値は
\begin{align*}
68.60158545708098436\cdots
\end{align*}です.$a$ と $b$ は等しいでしょうか,それとも等しくないでしょうか.等しければ等しいことを,等しくなければ等しくないことを示してください.
出題:渋川元樹
出題2
電卓をたたいてみるとすぐに分かりますが,$\sqrt{28} + \sqrt{45}$ の値は整数 $12$ に近い値になります.同じような性質をもった正の整数の対は,意外に多く存在します.
(1) $A = \sqrt{110890} + \sqrt{443554}$, $B = \sqrt{110888} +\sqrt{443558}$ とおくと,$A,\, B$ はともに $999$ に非常に近い値になります.不等式 $999 > A > B$ が成り立つことを,なるべくエレガントな方法で示してください.
(2)正の整数 $m$ をうまく選べば,$\sqrt{2} +\sqrt{m}$ の値はいくらでも整数値に近づけられることを示してください.(例えば $\sqrt 2 +\sqrt{21} \risingdotseq 6$, $\sqrt{2} +\sqrt{761}\risingdotseq 29$, $\sqrt{2} + \sqrt{4704}\risingdotseq 70$ ですが,後者になるほど,よりよい整数の近似値になっています.)
(3) $n\risingdotseq \sqrt{a} +\sqrt{b}$ ($n,\,a,\,b$ は正の整数) となるような例を無限に多く構成してください.
問題文の表現にあいまいなところがありますが,常識的に判断してください.また(3)において,$\sqrt{4} + \sqrt{9} = 5$ や $\sqrt{n^2−1} +\sqrt{n^2+1}\risingdotseq 2n$ のように完全平方数を利用した “自明な” 例は除外して考えてください.
できるだけ近似精度の高い例の構成を期待しています.3 題のうち,1 題ないし 2 題のみの応募でもかまいません.
出題:阿賀岡芳夫
応募規定[解答掲載2020年12月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙l枚ごとにA:出題の番号(例:9月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい(ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2020年9月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2020年9月号
- 解答・講評は,本誌2020年12月号にてご確認ください.