出題(2020年10月号掲載分)/応募締切(10月8日)/解答(2021年1月号掲載)
出題1
3 つの数列 $(x_n),\,(y_n),\,(z_n)\ (n=0,1,2,\cdots)$ において,初期値は $0 < x_0 <1 $, $0< y_0 < 1$, $0 < z_0 < 1$ を満たし,かつ,$n\geqq 0$ に対して,漸化式
\begin{align*}
&x_{n+1}=x_n-x_ny_n+y_nz_n\\[5pt]
&y_{n+1}=y_n-y_nz_n+z_nx_n\\[5pt]
&z_{n+1}=z_n-z_nx_n+x_ny_n
\end{align*}が成り立つものとします.このとき,数列 $(x_n)$ の極限値 $\lim\limits_{n\to\infty} x_n$ を初期値 $x_0,\,y_0,\,z_0$ を用いて表してください.
出題:時弘哲治
出題2
集団の中から役員を選出します.その際に友人関係に配慮することとし,次の形をした条件を考えます.
どの役員も,役員の中にいる友人は,自分以外の役員の人数を $n$ とするなら $f(n)$ 人未満であり,また,役員以外のどの人も,役員の中にいる友人は,役員の人数を $n$ とするなら $f(n)$ 人以上である.
ここで $f$ は正の整数から正の整数への関数とします.集団も友人関係も一定で変化はないものとし,「$\t A$ が $\t B$ の友人なら $\t B$ は $\t A$ の友人である」という意味で,友人関係は対称関係だとします.条件さえ満たせば,役員の人数に制限はありません.
(1) $f(n)=1$ (つまり,$n$ によらずに定数 $1$ を返す関数) のとき,条件を満たすように役員を選出することは (集団の人数や実際の友人関係によらず) つねに可能でしょうか.可能ならばそれを証明し,可能とは限らないならば,不可能な例を提示してください.
(2) $f(n)=\left\lceil\dfrac n2\right\rceil$ ($\dfrac n2$ 以上の最小の整数) の場合はどうでしょうか.(1) と同様に論じてください.
(3) 一般の場合はどうでしょうか.条件を満たすように役員を選出することが集団の人数や実際の友人関係によらずつねに可能であるような $f$ がもしあるとすれば,それはどのような関数のときなのか,必要な証明を添えて簡潔に論じてください.
(1)~(3) のうちの一部のみの提出でもかまいません.また,(1) (2) の解答を包含する内容で (3) の解答が作れる場合は,(3) の解答の提出だけでかまいません.
出題:岩沢宏和
応募規定[解答掲載2021年1月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 l 枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙l枚ごとにA:出題の番号(例:10月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい(ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2020年10月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2020年10月号
- 解答・講評は,本誌2021年1月号にてご確認ください.