序文(特別企画:秘密と嘘―その深層)(編:平島奈津子)
特別企画から(こころの科学)| 2020.08.17
心理臨床、精神医療、教育、福祉等の領域で対人援助にかかわる人、「こころ」に関心のある一般の人を読者対象とする学術教養誌「こころの科学」。毎号の特別企画では、科学的知見の単なる解説ではなく、臨床実践に基づいた具体的な記述を旨としています。そうした特別企画の一部をご紹介します。
(毎月中旬更新予定)
◆本記事は「こころの科学」213号(2020年9月号)の、平島奈津子編「秘密と嘘―その深層」に掲載されている序文です。◆
「嘘」が見せる顔は実に多彩です。その中のひとつに、「秘密」から切り離せない「嘘」があります。人は秘密を護るために、他人ばかりでなく、自分自身にさえ「嘘」をつくことがあります。
その意味では、「本当のことを言わないでおく」、あるいは「本当のことを意識から追い出す(思い出さないようにする)」こともまた、「嘘」に分類できるのかもしれません。