(第10回)訴状の作法(6):認否に適した主張を➀

民事弁護スキルアップ講座(中村真)| 2020.11.30
時代はいまや平成から令和に変わりました。価値観や社会規範の多様化とともに法律家の活躍の場も益々広がりを見せています。その一方で、法律家に求められる役割や業務の外縁が曖昧になってきている気がしてなりません。そんな時代だからこそ、改めて法律家の本来の立ち位置に目を向け、民事弁護活動のスキルアップを図りたい。本コラムは、バランス感覚を研ぎ澄ませながら、民事弁護業務のさまざまなトピックについて肩の力を抜いて書き連ねる新時代の企画です。

(毎月中旬更新予定)

令和も2年目に突入したと思ったら、もう師走の足音が聞こえる季節になりました。

これまで、「訴状の作法」と題し、訴訟の現場で常に目にすることになる訴状について、いろいろな切り口で取り上げてきました。

前回までは数回にわたって「訴状と併せて提出する証拠(甲号証)」に焦点を当てましたが、今回は、認否のしやすい訴状の書き方について考えてみたいと思います。

1 訴状は誰が読むものか

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中村真(なかむら・まこと)
1977年兵庫県生まれ。2000年神戸大学法学部法律学科卒業。2001年司法試験合格(第56期)。2003年10月弁護士登録。以後、交通損害賠償案件、倒産処理案件その他一般民事事件等を中心に取り扱う傍ら、2018年、中小企業診断士登録。現在、大学院生として研究にも勤しむ身である。

著者コメント 次回も引き続き、「認否に適した主張」について取り上げる予定です。