序文(特別企画:思春期のこころとからだ)(編:山登敬之)
特別企画から(こころの科学)| 2021.04.19
心理臨床、精神医療、教育、福祉等の領域で対人援助にかかわる人、「こころ」に関心のある一般の人を読者対象とする学術教養誌「こころの科学」。毎号の特別企画では、科学的知見の単なる解説ではなく、臨床実践に基づいた具体的な記述を旨としています。そうした特別企画の一部をご紹介します。
(毎月中旬更新予定)
◆本記事は「こころの科学」217号(2021年5月号)の、山登敬之編「思春期のこころとからだ」に掲載されている序文です。◆
私自身の児童青年期は、この国の高度経済成長とともにあった。上の世代は通りに出て石を投げ、下の世代は夜の校舎で窓ガラスを壊して回ったが、私はぬるま湯に浸かった気分のまま思春期をボーッと生きていた。