出題(2023年1月号掲載分)/応募締切(1月8日)/解答(2023年4月号掲載)
出題1
平面三角形 $\t{ABC}$ と同じ面上の点 $\t P$ に対して,その重心座標 $(\alpha, \beta, \gamma)$ は,次のように定義されます.平面上の任意の一定点 $\t O$ を原点とするとき,ベクトルによる表現で,点 $\t P$ に対し
\begin{align*}
\overrightarrow{\mathrm {OP}}=\alpha \overrightarrow{\mathrm {OA}}+ \beta \overrightarrow{\mathrm {OB}}+ \gamma \overrightarrow{\mathrm {OC}}, \qquad \alpha+\beta+\gamma=1
\end{align*}を満たす実数 $\alpha,\, \beta,\, \gamma$ が一意的に定まり,その値は原点 $\t O$ に依存しません (以上の事実を証明する必要はありません) .
重心座標はその比だけで十分な場合がある;例えば外心の重心座標の比は,3 辺長を $a,\,b,\,c$ として
\begin{align*}
a^2 (-a^2+b^2+c^2) : b^2 (a^2-b^2+c^2) : c^2 (a^2+b^2-c^2)
\end{align*}と表されます.これに対して重心座標の比が
\begin{align*}
a (-a+b+c) : b (a-b+c) : c (a+b-c)
\end{align*}で与えられる点を,仮に類外心とよびます.
問 1 $\triangle\t{ABC}$ の 3 個の傍心 ${\mathrm {E_ A,\, E_ B, \, E_ C}}$ の作る三角形は,辺上にもとの頂点 $\t A,\,\t B,\,\t C$ を含みます.3 頂点 $\t A,\,\t B,\,\t C$ を通り,そこでそれぞれ辺 ${\mathrm { E_ B E_ C,\, E_ C E_ A,\, E_ A E_ B}}$ に接する楕円の中心が,上述の類外心になることを確かめてください.
問 2 上述のほかに,「類外心」はどのような幾何学的意味をもつでしょうか? この点に関する昔の文献などの情報をも歓迎します.
出題:一松 信
出題2
(1)平面上に長さ $1$ の線分 $\t P_1\t P_2$ があります.$\t P_1$ を中心とし半径 $1$ の円板と $\t P_2$ を中心とし半径 $1$ の円板の共通部分を,線分 $\t P_1\t P_2$ で $2$ つに分けた領域の片側を $D$ とします.ここで,境界も領域 $D$ に含まれるものとします (図左).
このとき,領域 $D$ の任意の $2$ 点 $\t Q_1,\,\t Q_2$ に対し,線分 $\t Q_1\t Q_2$ の長さが $1$ 以下となることを示して下さい.
(2) $3$ 次元空間上に辺の長さ $1$ の正三角形があります.各頂点を中心とした半径 $1$ の球体の共通部分を,正三角形を含む平面で $2$ つに分けた領域の片側を $D$ とします.ここで,境界も領域 $D$ に含まれるものとします (図右).
このとき,領域 $D$ の任意の $2$ 点 $\t Q_1,\,\t Q_2$ に対し,線分 $\t Q_1\t Q_2$ の長さが $1$ 以下となることを示して下さい.
高次元版に対する解答やコメントも歓迎します.
出題:篠原雅史
応募規定[解答掲載2023年4月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:1月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:1月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
投稿フォームが上手く動かないなどの場合は,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2023年1月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2023年1月号
- 解答・講評は,本誌2023年4月号にてご確認ください.
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