(第4回)トラウマケアの現場

紛争・災害と子どものこころのケア――世界の精神保健の現場から(田中英三郎)| 2023.01.05
2022年ロシアによるウクライナ侵攻は日本に住む私たちにも大きな衝撃を与えました。また、新型コロナウイルスのパンデミックや自然災害など、私たちの日常を一変させる出来事がいつやってくるかは予想もつきません。こういった出来事はすべての人々のこころに暗い影を落としますが、特に子どものこころへの影響は計り知れません。この連載では、世界と日本の現場から、子どもたちのこころの健康を保つためにどんなことがされているのか、レポートしていきます。

(毎月上旬更新予定)

これまでの連載で、私たちの人生が予想以上にトラウマ体験に満ちていることや、日本の災害後のこころのケアの活動が世界の子どもたちの精神保健の向上に役立つ可能性があることをお伝えしました。それでは、具体的にトラウマケアはどのようになされるべきなのでしょうか。

今月は、トラウマケアの実践をご紹介します。

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田中英三郎(たなか・えいざぶろう)
2001年愛媛大学医学部を卒業、精神科医師。ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)等で社会疫学を研究、公衆衛生学修士、博士(医学)。国立国際医療研究センター、国境なき医師団、都立梅ヶ丘病院、兵庫県こころのケアセンター等を経て、2021年よりJICAヨルダン事務所・ヨルダン保健省精神保健政策アドバイザーを務めている。