(第11回)太陽大気中の大規模現象

地球惑星科学の地平を求めて(半揚稔雄)| 2023.03.16
お馴染だと思っているはずの地球や宇宙も,自然科学の目で見ると実に多様な顔を見せてくれます.この連載では,地球を中心とした様々な対象や現象について,最近の知見をもとに改めて解説します.

(毎月中旬更新予定)

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太陽大気中で発生する大規模現象に,太陽面から立ち上る炎のようなプロミネンス,太陽面で起こる爆発現象のフレア,さらにコロナ中で発生するコロナ質量放出がある.フレアは巨大なエネルギーを爆発的に解放する現象であり,コロナ質量放出は突然膨大な量の物質を宇宙空間に向って放出する現象である.これらの全貌は未だ解明には至っておらず,いずれの場合も高温のプラズマ状態にある太陽大気中で起こる突発的な現象で,太陽の磁場が深くかかわっていると考えられている.

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半揚稔雄(はんようとしお) 1947 年,福岡県に生まれる.その後,北海道札幌市にて子供時代を過ごす.小学校 4 年の 10 月に,ソヴィエト連邦 (現在のロシア) が「世界初の人工衛星スプートニク 1 号を打ち上げた」とのニュースに接して,宇宙に興味を覚える.以来,宇宙飛行に関心を寄せ,物理学で理学士となるも,これが高じて防衛大学校,東京大学宇宙航空研究所(現・JAXA宇宙科学研究所)などで一貫して宇宙飛翔力学の研究に携わる.この間に,東京大学から工学博士の学位を授かる.現在,成蹊大学非常勤講師.

著書:『ミッション解析と軌道設計の基礎』(現代数学社,2014 年),『惑星探査機の軌道計算入門 ―― 宇宙飛翔力学への誘い』(日本評論社,2017 年),『入門連続体の力学』(同,2017 年) ,『つかえる特殊関数入門』(同,2018 年) など.