出題(2024年12月号掲載分)/応募締切(12月8日)/解答(2025年3月号掲載)
出題1
平面上に穴のない多角形で囲まれた領域があり,多角形の周 (境界) はその領域の壁だと思ってください.その領域の中に磁石が $2$ つ置かれています.磁石に大きさはなく,点であると考えることにして,$2$ つのうちの一方を A,もう一方を B と呼ぶことにします.私たちは A を領域の中で自由に動かすことができますが,B を勝手に動かすことはできず,A の引力に従って B は動きます.A が動くと,B は,磁石の引力と多角形の壁に接しているときに受ける垂直抗力が釣り合う位置で止まるか,止まらない場合には A と同じ位置まで動きます (実際この 2 つの場合しかないことは認めるものとします).A が動いた瞬間に B は力の釣り合いの位置に動くこととして,B の動きに慣性はないものとします.
この設定で,どのような穴のない領域であっても,うまく A を動かすことで,A と B を同じ位置に持っていくことはできるでしょうか.
出題:岡本吉央 (電気通信大学大学院情報理工学研究科)
出題2
平面上の有限個の点からなる集合 $X$ について考えます.ここでは,$X$ における $2$ 点間の距離のうち最大の距離を持つ $2$ 点を結ぶ線分のことを,$X$ の直径といいます.また,$X$ に含まれる直径の個数を $X$ の直径数といい,$m(X)$ で表します.例えば,正 $n$ 角形の頂点集合 $R_n$ の直径数は
\begin{align*}
m(R_{2n})=n,\quad m(R_{2n+1})=2n+1
\end{align*}であることが確かめられます(図1 参照).
ここでは,$n$ 点からなる集合のうち,直径数が最大であるものについて考え,その最大値を $\tau _n$ とします.つまり,
\begin{align*}
\tau _n=\max \{m(X)\mid |X|=n, X\subset \mathbb{R}^2\}
\end{align*}とします.ここで,$|X|$ は集合 $X$ の元の個数を表します.
(1) 直径数が $5$ 以上である $4$ 点集合は存在しないことを示してください.また,直径数が $4$ である $4$ 点集合はどのようなものであるか答えてください.(このことより,$\tau _4=4$ となることが分かります.)
(2) $n\geqq 5$ に対して,$\tau_n$ を求めてください.また,最大値を与える点集合はどのようなものであるか答えてください.
出題:篠原雅史 (滋賀大学教育学部)
応募規定[解答掲載2025年3月号]
郵送の場合
B5判の用紙をご使用のうえ,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:12月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記宛先までお送りください.
〒170-8474 東京都豊島区南大塚3-12-4
日本評論社 数学セミナー〈エレガントな解答をもとむ〉係
メール送信の場合
B5判のサイズで,解答用紙 1 枚ごとにA:出題の番号(例:12月号出題1),B:住所,氏名(ふりがなも明記,誌上での仮名を希望される方は,こちらに明記),年齢,職業を記入して,下記フォームから PDF ファイルを送信して下さい (ファイルサイズ10MBまで).
解答記載に LaTeX ご利用の方は,テンプレートもご活用下さい.テンプレート利用は任意です.またテンプレートの漢字コードはUTF8です.ファイルが文字化けするときは適宜変換してお使いください.
(1)投稿フォームが上手く動かない,(2)受信確認メール希望の方でメールが届かない,などの場合,susemi_elegant@nippyo.co.jp に直接お送り下さい.
注意事項
- 締切:2024年12月8日
- 二題に応募されるときは,郵送の場合は解答用紙を,メール送信の場合はファイルを,出題ごとにかえてください.
- 年齢を忘れずにお書きください.
- 解答用紙は両面の使用を不可とします.
- 解答用紙はご返却できません.
- 問題のご感想も歓迎します.
- 出題掲載号:数学セミナー2024年12月号
- 解答・講評は,本誌2025年3月号にてご確認ください.
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